フィリンピンに赴任して以来、寒さが苦手な身としては、Tシャツ1枚で年中過ごせる気候を歓迎していた。
着任当初は、東南アジア特有の蒸し暑さに慣れるのに時間を要したが、4月のセマナサンタの連休前後には、湿度も下がり、快適なマニラ生活を満喫。
しかし、その後、雨季に入る前には気温と湿度が上昇し、毎朝汗だくで職場に到着する日々。さらには、雨季が始まり、想像以上に過酷な日々を迎えることになる。
大雨警報の嵐、街中で冠水
日本でも8月9月は台風シーズン。その進路は、フィリンピンから近づいてくることがしばし。まさにいま、そのフィリンピンが駐在生活の拠点。
日本の梅雨のようにほぼ毎日雨に見舞われるマニラ。時にはシャワーのような激しい大雨が大都市を襲う。大雨警報システムが携帯に届き、昼夜問わず、独特のアラーム音が鳴り響く。
排水の処理が追い付かなかったり、あるいは排水溝が落ち葉で覆いつくされたりしている影響からだろうか、マニラの街中ではあちらこちらで道路が冠水。
移動に制限がかかるくらいのレベルで、大雨の日はテレワークが推奨されるほど。幸い職場までは徒歩圏内なので、雨にも負けず風にも負けず、週1回のテレワークの日を除いては、オフィスに向かう。
肌感覚の確率としては、午後から激しい雨に見舞われることが多いせいか、朝はまだ比較的傘の出番が少ない日が続く。
それでもひとたび大雨が降り始めれば、身動きが取れず、しばらく自宅か、道中なら建物内で待機して様子見。
待機しきれずに、傘を差して交差点に進入したら、突風に見舞われ、傘の骨が折れる。体ごと飛ばされそうな風の強さ。やはり、雨季の無理は禁物。
雨を避けようと、マニラの中心部に張り巡らされた地下道を利用した際には、入り口の階段を降りている際、後ろから追い越してきた通行人に気を取られていると、雨で濡れた階段に足元を取られ、漫画のようにすってんころりん。
買い物帰りで手にしていたヨーグルトの容器を押しつぶす形で転倒してしまい、ヨーグルトが台無しになってしまったことも。
フライトのキャンセル・遅延が続発

雨季に影響を受けるのは道路に限らず、フライトもしかり。
フィリンピン各地の小さな空港では、小型の飛行機には、ボーディングブリッジを利用せずに直接乗り込む機会も多く、搭乗口で航空会社から提供される傘を差して機内へと向かう。
出発地の天候が良好でも、目的地の状況次第では、フライトが遅延、キャンセルになることもしばし。

フィリンピン航空を利用した際、出発地・ネグロス島のドゥマゲテ周辺の天候はフライトに問題なかったものの、目的地のマニラ周辺が大雨のため、フライトが遅延。
出発時間は予定より3時間以上も遅れ、その間、同航空会社からマクドナルドのスナックが提供される。同じ搭乗口付近で待機していたセブパシフィック航空の乗客は、カップラーメンを受け取っていた。航空会社によっても遅延対応には差があるのを見せつけられる。
この日は、何とか予定より数時間遅れでマニラに到着。着陸直前は、機体が大揺れ。1週間の出張の後、遅延で待たされたとはいえ、マニラに無地に帰ってこられただけでも感謝。
パイロットの友人に聞けば、大雨の際は、操縦席からは、マニラのニノイアキノ国際空港の滑走路が全く見えなくなるくらい、視界不良に陥ることがあるという。着陸できない場合は、行き先を変更してセブ島の空港に臨時着陸するか、あるいはフライトそのものをキャンセルせざるを得ないようだ。
雨季の飛行機での移動は、スケジュールに余裕を持っておくことに越したことはない。
湿気で部屋中がカビだらけ

雨季に入り、じめっと不快な天候が続いてはいるが、少し前までの暑さは和らぎ、エアコンの出番が減る。元来、エアコンを受け付けない体質のため、雨の不快さは拭えなくても、気温の面では扇風機だけで快適に過ごせるようになるはずだった…。
ある日、出張に向かうため、鞄をクローゼットから引っ張り出すと、一面白カビに覆われている。バッグの他にも、ジーンズやレインジャケットなどの衣類にも。
熱湯で洗い落として洗濯機にかけて、さらにアイロンのスチームがけでカビを退治。
カビの発生はベッドルームに限らずキッチンにも。日本から持参した無印良品の蒸篭がまさかのカビだらけ。
衣類と異なり、蒸した食材を通してカビの菌が体内に入るのを防ぐべく、泣く泣く蒸篭を処分。
友人から、自分自身の体温調節にエアコンは不要でも、部屋をカビから守るために24時間エアコンで室内温度を一定に保ち、カビの発生を予防すべきとアドバイスを受ける。
エネルギーの無駄遣いには心が締め付けられるが、カビで体調を崩しては元も子もないと言い聞かせて、エアコンをフル活用。
それでも、就寝中はエアコンで喉がいがいがするので、電源を切り、不在の日中はカーテンを閉めて、日光による室内の気温上昇を抑え、さらにエアコンで室内を涼しく保つように対策。電気代のことは考えないようにする過酷な雨季のマニラ生活。
