フィリンピンに赴任してから、重い腰が上がらないせいか、あるいはマニラに何か阻害要因があるせいなのか、なかなか旅に出かける気にもならなかった。しかし、世界遺産の棚田に出かけてから、少しスイッチが入ったように次々と訪れたい場所が思い浮かぶ。
ようやく旅人らしくなってきたと思った矢先、旅運から見放される日々が続き、またしても旅から遠ざかってしまう。
パスポート不携帯でレンタカー借りられず
ホテルで使用できるバウチャーの有効期限が迫っていたため、レンターを借りて、マニラから郊外への小旅行を計画。仕事との兼ね合いで、何とかバウチャー有効期限最終日に部屋を予約。
出発数日前まで仕事に追われ、すっかり小旅行は頭の片隅に。車を所有している友人を誘ってみたものの、都合が合わず、自力でレンタカーを借りて向かう以外の選択肢はなくなってしまった。
マニラで日々暮らす中、渋滞、道路の整備状況などを考慮すれば、あまり運転に気乗りする環境ではないが、荒々しい運転のドライバーが多いという印象はなく、必要あらば運転するのも止む無し。
サイトをいくつかチェックしてブッキングドットコムで予約。ピックアップ場所を空港かマニラ市内のホテルかの選択で迷う。
空港周辺の道路の複雑さを考慮すれば、車の返却時に道に迷う懸念から少し離れた場所にはなるが、ホテルでのピックアップを選択。
出発当日。数日前に打ったワクチンのせいか、体は本調子ではない。1泊2日なので荷物をさっさとまとめて、国際免許書を鞄に入れる。
パスポートを持っていくか迷ったが、フィリンピン政府発行の身分証があるので、IDは2つもいらないだろう。道中に車上荒らしや強盗の被害に遭って2つの身分証ともどもなくなるリスクを避けたいとも考えていた。
しかし、これが結果的に誤った選択に。

念のため、Booking.comからのメールをチェックすると、パスポートまたはIDカードとなっているので、フィリンピン政府発行のIDが1つあれば問題ないと解釈。
交渉余地なし、疲労困憊で小旅行中止
自宅からレンタカーの受付デスクのあるホテルまでタクシーで向かう。ホテルに着くやポーターが荷物を運んでくれるが、レンタカーのピックアップだけの訪問と伝えると、呼び込みがあるのでラウンジのソファで待つよう指示される。
しかし、呼び込みがかかる気配もなく。そもそもレンタカーの利用者を呼び出している光景など、これまでに見たこともない。
待っている時間が無駄なので、レセプションへ。すると、反対側にレンタカーの受付デスクがあるので、そちらに向かうよう案内される。ポーターの説明は一体なんだったのだろうか?
受付で予約番号、国際免許書、IDを提示。するとパスポートは?と尋ねられる。
案内にはパスポートおよびIDとなっているのでIDしか持っていないと返答すると、外国人はパスポートがなければ車を貸し出せないという。
出発前にパスポートを持っていくか一瞬迷った光景が頭に蘇り、携帯するという判断をしなかったことが悔やまれる。
しかし、ここで引き下がるわけにはいかない。外国人と言っても訪問者ではなく、居住者である上、説明にはIDでもOKとなっていると主張。
担当の方の英語はいまいちで、グーグル翻訳を使って返答され、規定上、不可能という。埒が明かなので上司、およびセールス部門に確認してもらうが返答は変わらず。
結局パスポートを取りに帰ることに。
しかし、ホテルから自宅までの帰り道、まさかのマニラの渋滞に捕まる。おまけにタクシー運転手の運転の荒い事。いろいろな要素が絡み合い、これは小旅行に出かけるなという暗示なのかもしれないと悟る。
せっかくのクーポンでホカンスを楽しもうと目論んでいたが、今回はその時ではないのかもしれない。
そんな気持ちが湧き上がると、帰り道のタクシーでは完全に小旅行の気分は消え去り、どっと疲れが押し寄せる。レンタカーの受付にはパスポートを取って戻ってくると伝えたが、そんなことはもはやどうでもよくなっていた。
当日のため、ホテルのキャンセルおよび予約の変更はできず。クーポンもこの日で期限切れとなるため、すべてが水の泡に。いつもは恐ろしいくらい旅運に恵まれるが、時にはこういう事態になることもある。
後日、ブッキングドットコムにクレームのメールを送信したところ、キャンセル料は3日分のレンタル料金を差し引いた分の返金となり、今回は2日間の利用を申し込んでいたので対象外。
しかし、万が一に備えてオプション追加したRentalCover Full Protection の 63.98米ドルは返金処理してもらえることになった。一部とはいえ、1万円近く返金されたので、苦い思い出も少しばかりは和らいだ。
マイル特典航空券、予約取り消しの憂き目に
フィリンピン駐在中にやってみたかったことの1つに、連休を利用して日本へ一時帰国するということ。
南米に赴任していた頃は、飛行機の往復の移動だけで4日、さらに時差が12時間以上と、時間と体への負担が計り知れなかった。
一方、フィリピンから日本は片道4時間ほどで時差も1時間。3連休でも一時帰国できてしまう。
そんな思いに応えるかのように、2026年2月にANAでマイル減額キャンペーンが実施され、フィリピンまで片道4,240マイルに飛びつき、6月の便を予約。あいにく、空席待ちとなったが、出発まではしばらく時間があるので、座席が確保できないときは代替え案を考えようと悠長に構えていた。
時折、ANAのアプリで予約ステータスを確認するも、座席が確保できたらメールでお知らせするという表示のまま。
ところが、ある日、アプリを開くと、予約したはずの便が画面から消えている。

ANAのサイトから予約番号を検索すると、解約済となっている。何が起きたのか事態がのみ込めず。
メールをチェックすると、4日ほど前に座席が確保できたので決済に進むようにANAからのメールが届いていた。
しかし、メールが到着したのが金曜日。週末はメールをチェックしてなかったので、その間に時間が経過してしまった。
ANAのカスタマーサービスに問い合わせると、以下の回答。

決済期限は2日しかないという。
3カ月近くも待っていたのに、座席確保の案内から僅か2日の時間を逃しただけで予約が解約されるという。
なんともやりきれない。
少なくとも問い合わせをした同日にANAからきちんとした返答があったことは、カスタマーサービスとして素晴らしい。
しかし、一旦解約された予約は復活できず。残念ながらここでも旅運に見放されてしまった。
往路と復路は別々に予約したため、まだ復路の便はキャンセル待ちで予約が残った状態。同じ目に遭わぬように、毎日慎重にメールをチェックする日々が続いたが、こちらは座席が確保できず、結局ANAを利用して、連休の間に一時帰国することは叶わず。
これまで、旅人としての運は誰よりも恵まれてきたと感じることが多かったが、フィリピン駐在時の旅運には少し見放されているのかもしれない。
