フィリピンの世界遺産コルディリェーラの棚田を巡る旅は最終日を迎える。この日は、ボギャ(Bogyah)温泉を巡り、夕方にバスでマニラへ戻る日程。
宿のご厚意のレイトチェックアウト
この日は、昼過ぎまで観光をして、午後6時発のマニラ行きのバスに乗車するスケジュール。朝にチェックアウトを済ませ、観光している間は荷物を預かってもらおうと宿のスタッフに相談すると、部屋は空いているから温泉から戻ってくるまで荷物を部屋に置いても構わない。最後に部屋でシャワーを浴びれた方が、バスに乗る前に快適に過ごせるでしょ?という心温まるおもてなしでレイトチェックアウトが実現。
温泉に浸かるとは言え、その後、歩いたらまた汗まみれになるので、シャワーを利用できるのは本当にありがたい。
宿で朝食を終え、前日と同じドライバーが迎えに来てくれたが、ガイドの姿はなし。あまり英語が通じず詳細は不明だが、どうやら後でガイドが合流するようだ。
バナウエの中心からOhajから Hapao 村へと向かう。ガイドが同行している際は、ドライバーはバイクタクシーを運転する以外の出番はないが、ガイドが合流するまで、時折ビューポイントで停車しては、村の美しさを伝えようとしてくれる。
観光税のような支払いを村でしなければならず、その事務所でガイドと合流。事務所内には、村の豊作を願う行事の写真の展示などがあり、祭りの時期に再訪してみるのもおもしろいかもしれない。
温泉までの道のりは棚田のハイキング

温泉までの道のりは歩いて1時間ほど。前日のバタッドの棚田とは異なり、それほど傾斜はなく、山道を抜けてあぜ道を進んでいく。

太陽が照り付けるが、気温はそれほど高くなく、快適な気候の下、前日に続き目の前に広がる田園風景に見惚れながら歩みを続ける。

ガイドが手を伸ばしてベリーの実がなった枝を手渡してくれた。自然の恵みの中での暮らしを実感し、貨幣経済を中心とする資本主義から少しの間だけでも距離を置けたような気分。

足元に樹皮が整然と並べられ、沼地を歩きやすくしているのかと思いきや、歩行者のためではなく、日差しから苗を守るために覆いかぶされているようだ。
ビニールハウスではなく、自然の素材が生かされる環境。

一面の緑の景色にコルディリネがアクセントのように、その鮮やかな色彩を放つ。ガーデニングかと思いきや、田んぼの所有区域を明確にするために植えられているという。

トレッキングコースはそれほど観光客の姿も多くなく、静かに自然の風景を楽しめるのもポイントが高い。

澄み切ったの川の水が流れる音が響き、ハイキングに心地よさを足してくれる。マニラで濁った異臭を放つ川に慣れているせいか、この汚れのない美しさに感動。温泉への期待も高まる。
ボギャ温泉でリラックス

1時間ほどのハイキングでボギャ温泉の入り口に到着。
同じように個人でガイドを雇って訪れている観光客の姿が目に付いたが、ほとんどのガイドは女性。バタッドの棚田のツアーは男性ガイドが大半を占める一方、ボギャ温泉のガイドは案内が日帰りで済むことが多いことからも女性が、その職についていることが多いそうだ。
「思う存分温泉を楽しんできて!」と言われ、早速、湯船へ。

水着着用で入るボギャ温泉。温度は40度に満たないぬるま湯。しかし、照り付ける日差しが強く、日傘を差しながら入浴を楽しむ人の姿は実にユニーク。
端っこのスペースに少し日陰ができている場所があったので、そこに陣取り半身浴。
この温泉は、農家にとり農作業で疲れた体を癒す貴重な場所。
ぬるま湯とはいえ、ある程度の時間、お湯に浸かっていると汗ばんできたので、すぐ脇の川へ。

芯から温まった体には、川の水は氷水のようにキンキンに感じられ、一気に体を冷ましてくれる。アイシングをしたら、再び温泉に。2、3回この流れを繰り返して温泉を楽しむ。
誕生日を祝うために訪れていた大家族のグループに誘われ、昼食を頂く。

全くの赤の他人でもお構いなし。食べ物のシェア文化が存在するフィリピンでは、飢えることはなさそうだ。
宿でサンドウィッチを作ってもらって持参していたが、追加のランチのおかげで満腹。少し日陰で休んでから帰路へ。
フィリピンでの初体験の温泉は、美しい景色も楽しみながらデトックスができ、旅の疲れを癒してくれた。
大都会・マニラへ

温泉巡りを終えたら、宿に戻り部屋でシャワーを浴びてチェックアウト。レイトチェックアウトをさせてくれた宿には感謝。そのままバスターミナルへ。
18時発のバス。ほぼ時刻通りに出発。温泉で気持ちよくなった体で、車内で爆睡しようと思っていたが、隣に座ったフランス人観光客との会話が盛り上がり、出発から2時間ほど話し込む。

その後、少し眠りに落ち、目を覚ますとサービスエリアに停車中。往路で停車した際はトイレ休憩だけで済ませたが、今回はサービスエリア飯にチャレンジ。

メニューを適当に指さして注文。

スープが透明な麺は、あっさりとした味わい。胃に重たさを残さず再びバスへ。
食後のせいか、その後はすぐに熟睡。気が付けばもうマニラのバスターミナルだった。車内は、補助席も満席になるくらいの混雑。
隣の席のフランス人は、すぐ横の補助席に座っていた乗客が気分が悪くなり、嘔吐してしまい大変だったと苦笑い。寝ている間にそんなドラマがすぐ横で起きていたとは…。
ともあれ、フィリピン駐在生活で初めての国内旅行は無事に終わりを迎えた。マニラに籠りがちな駐在生活だが、フィリピンをより深く知る意味でも、やはり旅に出なければならないと実感させられた。
