フィリピンのコメ文化を巡る旅・世界遺産コルディリェーラの棚田 / Day 3 圧巻のスケールの棚田へ

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(フィリピンのコメ文化を巡る旅・世界遺産コルディリェーラの棚田 / Day 2 バナウエ散策の続き)

フィリンピンの世界遺産を巡る旅は、いよいよコルディリェーラの棚田の一角を成すバタッドを目指す。

前日に宿泊したホテルのあるバナウエの観光案内所でガイド付きのツアーを申し込み済。旅中とは言え、休暇なのであまり早起きする気にはなれず、午前9時に待ち合わせ時刻を指定。

天まで続きそうなバタッドの棚田

バタッドの入り口

滞在するホテルで朝食を取ろうと受付に向かうと、ありえない観光客の数で溢れかえっている。前日は、アーリーチェックインさせてくれるくらい閑古鳥が鳴いている状態だったのに…。

どうやら、宿泊客ではなく、朝食だけの利用者のようだ。朝から賑やかな雰囲気に圧倒されてしまう。

さっさと食事を済ませて身支度。ガイドは約束の時間の少し前にホテルに到着。幸先の良いスタート。

ツアーの足、バイクタクシー

早速、ツアーの足となるバイクタクシーに乗り込み、ツアーがスタート。まずは、Guihob View Point で最初のストップ。実際には、前日にこの場所を訪れていたが、あまりのガイドの熱心な説明を遮るのは申し訳ないような気がして、まるで初めて訪れたかのようなリアクションでやり過ごす。

ホテルから1時間ほどだろうか、山道を蛇行していると、眠気に襲われる。何度か寝落ちしそうになった頃、バタッドの入り口に到着。

バイクタクシーとはここでお別れして、ここから先はハイキング。

バタッドの棚田

タクシーと別れた地点から20-30分ほど進むと、レストラン兼展望台のような場所にたどり着き、目の前には圧巻のスケールの棚田が広がる。天まで続いていきそうなくらいに棚田が連なる。

前日までに見た棚田とは一線を画す、その規模に一気にテンションが上がるとともに、古の時代から、この地で代々、脈々と受け継がれてきた歴史的な重みに引き込まれる。

この棚田を下っていき、Tappiyaの滝まで目指すのがこの日のルート。担当してくれたガイドは、このバタッド出身ということで、すべてを知り尽くしている雰囲気。

戻ってきたときに、昼食の時間になるように、事前にレストランで注文を済ませておく。

アップダウンの棚田トレッキング

棚田に整備された観光客向けの通路

ガイドが、目の前に広がる棚田のパノラマを指さしながら、あの山の向こう側まで歩いたら、Tappiyaの滝までたどり着くと説明してくれるが、一瞬、棚田が迷路のようにも見えてきて、無事に目的地までたどり着けるのだろうかという一抹の不安に襲われる。

まずは、棚田をどんどん下っていく。すでに膝下くらいにまで成長した稲の姿は、青々しさを風景に加え、青空とのコントラストを演出する。

台風の影響で土砂崩れの爪痕が残る棚田

世界的な気候変動の影響は、この地にも及んでいるようで、これまでのように雨が降る季節がずれたり、あるいは大規模な台風に見舞われたりするようだ。

実際、バタッドの棚田をよく見てみると、土砂崩れの爪痕が残る。幸い、民家への被害は免れたようだが、前年に発生した災害の被害から、まだ棚田が修復されていない状態。

修復作業も去ることながら、重労働の農作業を若者は回避する傾向があり、この見事な棚田を継承する人手不足にも悩まされているのが現状という。

この急勾配の傾斜に展開された棚田では、まだ農業機械は導入されておらず、農家が手作業で田植えする姿が見られる。原風景に心を打たれる一方、その作業にかかる労力は計り知れない。

この日案内してくれたガイドも、家族が所有する棚田で農作業を手伝うことはあるが、本業にするとなると、まだ覚悟が決まらないという。

地元の人から見た棚田の先行きは険しいかもしれないが、それでもこの景色が、世界中から訪問者を惹きつけることが誇らしくもあるようだ。

このような話をしながら先へ先へと進む。棚田を潜り抜ける道のりは、観光客向けに整備されており、歩きやすいが、そのアップダウンはかなり体に応える。

棚田を下りきったと思いきや、次の瞬間には登りが待ち構えている。観光のみならず、いい運動にもなりそう。

Tappiyaの滝でクールダウン

出発してから2時間弱ほどでTappiyaの滝に到着。道中も、他の観光客の姿を見かけたが、この滝つぼには、それ以上の数の観光客が思い思いに水遊びを楽しんだり、棚田トレッキングで疲れた体をクールダウンさせたりしている。

滝つぼは泳げるほどの水深ではないようで、水遊びは断念。滝から放たれるマイナスイオンでしばしリラックス。

30分ほど休憩したら、汗も引き、濡れたTシャツも乾燥したので、引き上げる。

棚田に植えられた稲

帰り道は、急な登り坂からスタート。多くの観光客が息を上げながら、途中で休憩を挟んでいる。最初の難関を抜ければ、あとは先ほど見た棚田の景色の中を歩いて進む。

フィリピンでは地域によって二毛作で稲を育てる地域もあるが、この地では田植えは年に1度だけという。コメ農家だけの収入では家族を養うのには十分ではないのが現実で、経済的な面も、後継者不足を加速させる。

ガイドによると、日本のUターンのように、マニラの都会生活に疲弊した若者が移住してくるケースはほとんどなく、この先、どのように棚田を守り抜いていくのか。この地のイフガオ族は2000年にもわたり、この地で、山を切り開き、棚田を作り上げて、代々生計を立ててきた。その歴史がこれからも継承されることを祈るのみ。

ランチのチキンカレー

帰り道は行きしよりも、いつものように短く感じ、スタート地点まで無事に戻って来ることができ、到着するや事前に注文しておいたランチのチキンカレーが運ばれてくる。

棚田ビューで頂くランチ。目の前の白米がこの棚田から胃袋に運ばれようとしているかと思うと、食べ物への感謝の気持ちが自然と湧き上がってくる。

チキンカレーそのものは、記憶に残るほどの味わいではないが、世界遺産の棚田で、コメを食べることに意義あり。

食事を済ませたら、雄大な棚田の景色ともお別れ。フィリピンと聞いてイメージするビーチリゾートのような観光地とは違ったテイストを体験するという意味では、お薦めの場所。

フィリピン名物のハロハロ

ホテルまでの帰り道、西日で火照った体を冷やすべく、道中に見つけたカフェで一休み。ガイドとドライバーとともにフィリピン名物ハロハロを食べながら体温を下げる。

ローカルなカフェではハロハロは45ペソ(=約120円)この日の締めくくり。

フィリピンに駐在してから初めてのフィリピンの世界遺産を巡るという目的が達成された1日が終わりを迎える。 

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