ブラジルからベネズエラへの道のり。コロンビアの首都ボゴタで乗り換えて、最終目的地のカラカスまで向かう。ブラジル・リオデジャネイロを出発したのは午前1時30分、機内のほとんどの時間は寝て過ごせたとは言え、深夜便後の乗り換えは身に応える。眠気半分の状態で、様々なトラブルに見舞われたトランジットの話。
エスカレーター逆走であえなく御用
ボゴタのエルドラド国際空港に到着後、別の国際線への乗り継ぎの場合でも、到着時に改めてセキュリティチェックを受ける必要がある。このことをすっかり忘れていて、ブラジル人の同僚に持って帰ってあげようと思って携帯していたブラジルの代表的なジュースの1つガラナがあえなく没収される。致し方ない。
リオデジャネイロからの便の到着は予定より早かったが、駐機場で待機している時間が長く、次のフライトまで1時間少しの時間しか残されていない。出発時間の30分前に搭乗が開始されるとなると、実質的に次便まではあと45分ほど。少し気持ちが焦る。
セキュリティチェックを抜け、エスカレーターで搭乗エリアへ上っていると、あるはずのパスポートがない!マネーベルトに入れているはずが、そのマネーベルトそのものがない!セキュリティチェックの検査場に忘れたのか、慌ててエスカレーターを逆走して、検査場に戻る。その姿を目撃していた、係員に叫び止められる。「エスカレーター逆走して何をしているんだ!」
パスポートが手元にないので、検査場に忘れたと思い、戻って来たと説明。ひとまず、カバンの中をチェックすると、マネーベルトがみつかり、パスポートも発見。いつもなら、セキュリティチェックの後に腰に巻き付けるマネーベルトだが、寝ぼけているせいかカバンの中に収めてしまっていた。パスポートは見つかったので勝手に一件落着にしようとしたら、何やら係員が上司に報告し始める。規定違反に相当するなど話し合っているようだ。まずい。別室に連行され追加の尋問を課されたら、乗り継ぎ便に送れる可能性もある。
ここは、今一度、その上司にも状況を丁寧に説明。エスカレーターを逆走したのは、賢明な判断ではなかったかもしれなかったが、なにせパスポートのありかが不明だったので、咄嗟の行動だったと弁明。本来ならば、エスカレーターを上がったところで、別の係員に相談すべきと指摘されたが、理解を示してくれ、もう1度セキュリティチェックを通ることで、事態を収めてくれた。助かった。しかし、10分ほどの時間ロス。深夜便での睡眠のせいか、頭が働いていない。
乗り継ぎ便はすでに搭乗締め切り!?

時間は押しているが、アビアンカ航空のエコノミークラスの機内サービスはすべて有料なので、搭乗前にアビアンカ航空のラウンジに立ち寄り、さくっと朝ごはんを済ませる。15分ほどの滞在時間でラウンジを後に。

モニター画面で搭乗する便のゲートをチェック。出発時刻まで残された時間は後45分ほど。しかし、モニターには搭乗手続き終了の表示。一気に冷や汗。慌ててラウンジを後にして、ゲートに向かう。しかし、このゲートが遠いこと。
搭乗口 A12に到着するも、辺りには乗客の姿ゼロ。文字通り、搭乗口は閉まった状態。頭が真っ白になる。
係員に搭乗券を見せて、ジャンプインできないか交渉するしかない。しかし、係員はB3ゲートに向かうよう指示するのみ。この便にはもう搭乗させてもらえないのか。搭乗口 B3というのは聞き間違えで、午後3時に便があるのでそれに振り返るという意味なのか。頭がまったく働いていない。
再び尋ねるも、やはり係員が言っているのは搭乗口B3に向かえということだ。そこに乗り継ぎに失敗した場合のサービスデスクのようなものがあるのだろうか。ひとまず言われるままにそこに向かうしかない。
Bゲートは進んで来た方向と逆方向のため、再び来た道を戻る。途中、再びモニターで搭乗口 B3をチェック。すると、カラカス行き、搭乗中との表示。一瞬、事態が飲み込めない。一体どうなっているのだ。
頭を整理させるため、さきほど訪れた搭乗口A12の情報をチェック。すると、その搭乗口から出発する飛行機の行き先はキュラソーだった。カタカナで書けば、なぜカラカスと勘違いするのか、理解できないかもしれないが、キュラソーのローマ字表記は「Curaçao」 一方、カラカスの表記は「Caracas」 似てなくはない。

深夜便を乗り継いできた頭では、モニター画面でうまく見分けることができなかった。ともあれ、本来の搭乗口であるB3へ向かう。
ゲートにたどり着くころには、すでに搭乗手続きが開始されていた。
すべては自分が蒔いた種とは言え、深夜便からの乗り継ぎは、トラブルに要注意と肝に銘じたい。