暮らすように旅するオーストラリア#6 ロットネスト島の歩き方

オーストラリア

暮らすように旅するオーストラリア、パースを起点に始まった旅は、フリーマントルに移動した後、沖合から約20キロほど離れたロットネスト島を目指す。

旅のプランニングでは、この島をサイクリングで一周することが目的だったが、島に到着した日は天気は大荒れ。果たして、自転車での島巡りは叶うのだろうか。

フェリーでロットネスト島に上陸

フリーマントルのフェリー乗り場

フリーマントルからロットネスト島まではフェリーが主な交通手段。ロットネストエクスプレスとシーリンクロットネスアイランド の2社がフェリーを運航している。

旅行をした8月末はピークシーズンではないため、現地に到着してからフェリーのチケットを手配。フリーマントルの宿のドミトリーで出会ったアメリカ人の旅人が、前者のロットネスエクスプレスをすすめてくれたので、早速オンラインでチェック。

フェリーの乗船料金の他に、入島税のような料金が別途かかり、料金は100オーストラリアドルに近い値段。上述のアメリカ人のおじさんは、フェリーターミナルのチケット売り場で購入したという。フリーマントルの散策のついでに、チケット売り場で値段をチェックすると、93.81オーストラリアドルと、オンライン全盛の時代に、まさかの対面販売のチケットの方が安いという逆転現象が生じている。

何度もスタッフに入島税が料金に含まれた値段なのかを確認したが、トータルの値段という。安いのに越したことはない。おまけに対面であれば、何か問題が起きても対応はスムーズだろう。ロットネスト島に到着後、ホテルまで荷物を届けてくれるサービスもあり、荷物1個4オーストラリアドル。身軽になるのは利点とも考えたが、荷物が届けられるのに、島に到着後、約4時間ほどの時間を要するということで、今回はこのサービスは利用せず。

ロットネスト島とフリーマントルを結ぶフェリー

フェリーの始発は午前7時30分だが、旅中は朝はゆっくりと過ごしたい上、あまり早く島に到着しても、ホテルでアーリーチェックインができる保証はないので、9時30分の便を選択。

フリーマントルの宿をチェックアウトした際は、少し青空も見えた天気は、フェリーの出発時刻を過ぎる頃には、どんより曇り空に移ろい、ロットネスト島の天気予報をチェックすると、大雨の予想。

幸い、フェリーの運航には支障はなく、定刻通り9時30分にフリーマントルを出発。

フェリーの船内

フリーマントルからロットネスト島までは約30分の短い航路。天気予報通り、島に近づくにつれて天気はますます怪しくなり、海も荒れ始め、少し船酔いしそうになるくらい。

乗船時間は短いので、船酔いはそれほど深刻にならず、予定通りロットネスト島に到着。島に到着した頃にはポツポツと雨が降り始める。

ひとまずホテルに直行。“ 暮らすように旅するオーストラリア #2 旅の宿 5つ星ホテルからドミトリー部屋まで ” で紹介したように、ロットネスト島で滞在するホテルは Samphire Rittenest

ホテル到着後、ラウンジで少し待ったものの、アーリーチェックインのリクエストが通り、ホテルの部屋へ。チェックインを済ませる頃には、本降りの雨。天気予報を再度チェックしても全く回復する見込みはなし。

天気には勝てず 雨のフリーマントル島

旅運は強いほうだが、時には天気には勝てないこともある。フリーマントルからロットネスト島までは30分ほどなので、日帰りで島を訪れる旅人も多いが、島に1泊するので、まだ翌日にチャンスはある。

しかし、天気予報では翌日以降も雨マーク。おとなしく、ホテルの部屋に籠ってしばらく読書をしながら時間を過ごす。

何もしなくてもお腹は減る。外の雨脚はさらに強まり、外出するのも億劫になり、ルームサービスかレストランに向かうか迷う。

この天気の中、夜にホテルから出かけるのはさらに苦行になりそうなので、まだ明るいうちは、雨に耐えて外出。ホテル近くのカフェは、同じように雨のせいで足止めをくらった観光客で溢れかえっていた。さすがにこの天気ではどうしようもない。

サーモンラバーらしく、メニューから目に飛び込んできたサーモングリルを選択。店の混雑の割には料理は思ったより早く運ばれてきたものの、そのお皿に目を疑う。文字通り、スカスカな印象を受ける盛り付け。サーモンは余りものかのような印象。

メニューには肉厚でジューシーなサーモン
運ばれてきたサーモン

この一皿で26オーストラリアドルと3,000円近いお値段。観光客とそのサービスを支える人たちだけでビジネスが成り立る島とは言え、そのクオリティには少々、失望。

世界一幸せな動物クオッカ

そんな気持ちをなだめてくれたのが、世界一幸せな動物と言われ、ロットネスト島に生息するクオッカ。正直、あまり動物には興味はないが、クオッカも雨で行き場のなかったのか、カフェの入り口に現れ、観光客の注意を引く。

細く、長く伸びた尻尾から、正直なところ、ネズミのような印象を受けたが、カンガルー科の有袋類に分類される小動物のようだ。多くの観光客がカメラを向けても、全く動じることもなく、その愛くるしい目を輝かせている。

ランチの後は、海風が吹き荒れ、ホテルの部屋からは全く出れるような状態ではなく、引き続き読書と映画を観て過ごす。旅の中で、こういう日がたまにはあってもよい。

ルームサービスの食事

ランチのトラウマか、雨のせいか、夜は全く外に出かける気にはならず、そのままルームサービスで軽く夕食を済ませ、雨のロットネスト島での滞在の初日を終える。夜になっても、翌日の天気予報は雨のままだが、こればかりはどうしようもない。

奇跡の天候回復 自転車で島巡り

冴えない天気予報に、翌日は早起きする気にもなれず、アラームなしで起きたい時間に目を覚ます。すると、前日の予報から一転、快晴には程遠いが、空は雨雲で覆われておらず、少し晴れ間も見える。

これは島を自転車で駆け抜けるチャンスが奇跡的に巡ってきた。こんな天気になるなら、早起きすべきだったと後悔。しかし、過ぎた時間は戻らない。ひとまず、午後2時30分のフェリーでフリーマントルに戻るため、午後1時までレイトチェックアウトができるかホテルと交渉。

すると、正午までのレイトチェックアウトは無料で提供できる一方、午後1時までの場合は、追加の料金がかかるという。ひとまず、正午にチェックアウトする予定を伝えて、身支度を整えたらレンタル自転車へ。

レンタル自転車

レンタル自転車の料金は1日35オーストラリアドル(=約4,000円)午後1時以降のレンタルは20オーストラリアドルと半日料金が設定されているものの、午前中だけの料金設定はなし。料金とは別のデポジットは50オーストラリアドル。

受付のスタッフにルートについて相談すると、4時間くらいの所要時間であれば、島を一周するより、島の中央に建つ灯台まで行き、そこで島の南側の海を通って戻って来る半周のルートが最適という。

早速ベダルを漕ぎ出す。島の道路は整備されているため、自転車の走行には支障は全くなし。多少アップダウンはあるが、自転車の変速ギアで十分対応できる。サイクリングに自信がない旅人は、電動自転車を選択することもできる。

曇り空から除く青空に照らされたロットネスト島の海は、ベストな天気ではないにもかからず、その美しい色でサイクリストを迎えてくれる。

美しい自然のを巡りながら、自転車でエクササイズまでできてしまうという一石二鳥。

島の風の強さを伺わせる木の傾き

以前にサイクリングを趣味にしていたこともあるので、ロットネスト島内の道のりはそれほど難易度は高いとは思わなかったが、吹き付ける風の強さは半端ない。道路脇の木々たちも、その風に耐え、斜めに傾きながらも、その生命を維持している。

風に煽られる木

事前のプランニングで島を一周するルートでは、海岸沿いをひたすら自転車で進んでいくイメージだったが、ロットネスト島には湖もいくつかあり、湖畔沿いもサイクリングルートになっており、海とは違った水辺の景色を楽しめる。

ロットネスト島の湖

風で水面に波が立ってしまうが、少しその勢いが治まると、湖の水の透明度が伺いしれる。

いくつかある湖のうち、その1つはピンク湖と呼ばれ、条件がそろった際には、文字通り水面がピンク色に染まるという。残念ながら、この日はその鮮やかな色合いを見ることはできなかったが、それでも湖そのものの美しさを感じなら自転車で疾走する。

ワジャマップ灯台

湖のエリアを抜けたら、次に目指すのは島の中腹部に位置するワジャマップ灯台。一部、砂利道になっていて自転車で進むのに苦労したが、島で最も目立つ建物と言っても過言ではない灯台に到着。

灯台の前には、その歴史を紹介する展示室があり、これまでの役割について基礎知識を学べる。現在も灯台としての機能は継続しており、首都キャンベラから遠隔でオペレーションをしているそうだ。

通常の灯台見学ツアーであれば、灯台のトップの展望スペースまで上ることができるが、この日は強風のため展望スペースは開放できないという。それでも、それ以外の見学ツアーは案内できるということで、シニアボランティアの職員の方とともに、灯台内部の螺旋階段を上っていく。

灯台内部の螺旋階段

重厚な印象を受ける鉄鋼でできた階段は、イギリスから輸入されたもので、灯台建設当時からの作り。当時のイギリスの産業のレベルの高さは、後世にまで十分に引き継がれる匠のレベル。

階段は155段あり、ボランティアの女性スタッフは60歳を超えているが、しっかりとした足取りで上りながら、灯台内の構造や灯台守の仕事の様子について、説明してくれた。

灯台からモールス信号を送るだけの仕事と思ったら大きな間違い。完全に機械化されていない時代に、24時間のオペレーションを交代でこなすのは重大な責任が伴っていたに違いない。

灯台の窓からのロットネス島の眺め

展望台にアクセスできなかったせいか、ツアー料金は請求されずに終了。丁寧なボランティアの説明に、灯台への理解を深めることができ大満足。

灯台を後にしたら、島の南側に位置するサーモンベイの方角へ抜ける。ここから、完全に向かい風状態で、自転車がなかなか進まない。ロットネスト島で最も人気のシュノーケリングスポットであるリトルサーモンベイだが、この日の天気と気温から、シュノーケリングを楽しむ観光客の姿はなし。

サーモンベイ

少し晴れ間が見えていた空も、すっかり雲で覆われ始める。それでも、ターコイズブルーの海の色合いは美しく、快晴の日の美しさは想像を絶するものだろうと思いを馳せる。

ホテルのチェックアウトの時間もあるので、天気があまり良くなかったのは、このビーチで長居する時間を削減するのに一役買い、そのまま自転車レンタルショップへ。

概ね3時間ほどでロットネスト島を半周することができた。天気が良くて、風が強くなければもう少し早く回ることができたか、あるいはリトルサーモンベイで海に入って魚たちと戯れることもできたかもしれない。しかし、前日までの天気予報を考慮すれば、サイクリングができただけでも幸運。さらに、少し青空も覗いてくれたので、満足いく色のコントラストの写真も撮影することができたので上出来。

自転車を返却したら、急いでホテルに戻り、シャワーを浴びる。レイトチェックアウトを依頼しておいて大正解。最後に荷物をまとめてチェックアウト。フェリーの時間までは、ホテルのラウンジを利用させてくれたので、のんびり。

帰りもフェリーは概ね定刻通り、30分ほどの航海でフリーマントルに戻る。

夏のピークシーズンではなかったので、フェリーも前日に予約で十分間に合った。しかし、天気だけは読めないので、今回のように1泊2日したことによって、2日目にロットネスト島でのサイクリングを楽しむ幸運に恵まれた。日帰りトリップだったらば、サイクリングの機会を逃していただろう。

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