暮らすように旅を楽しむ-リオデジャネイロ編①

サイクリング

リオデジャネイロといえば、コルコバードの丘にそびえ立つキリスト像に、奇形な岩をケーブルカーでつなぐボンジアスーカル、サッカーの聖地マラカナンスタジアムといくつもの名所が観光客を出迎えてくれる。リオデジャネイロで暮らしていた頃に、主要な名所は訪れたので、今回の滞在では、ローカル目線でかつて暮らしていた時のように街並みを楽しむ。

大都市ながら自然に恵まれたリオデジャネイロは、スポーツアクティビティが充実。ここに住んでいた際、毎週末、レブロン地区からコルコバードの丘まで友人とサイクリングを楽しんだものだ。2年ぶりのブラジル訪問、かつての友人と意気揚々に再びサイクリング、と行きたかったところだが、リオデジャネイロの地元っ子、カリオカとの約束を実行するのは実は至難の業。紆余曲折を経て、海沿いをサイクリングで楽しむ話。

自転車が借り出せない!

リオデジャネイロに居た頃は、親友と3人が中心となって毎週末のサイクリングを楽しみ、友が友を呼ぶ形で、5-6人のサークルのようなグループが出来ていた。初めてコルコバードの丘まで自転車でたどり着いたときは、足が痙攣寸前だったが、たどり着いた頂上で飲んだビールは人生で一番美味しかったものだ。

そんな昔話に花を咲かせながら、さすがにトレーニング不足のため、コルコバードの丘までは無理だとしても、途中のVista Chinesa まで頑張って自転車で登ろうということに。

親友1人は、この週は旅行で不在、もう1人の親友が引っ越し先のサンパウロから駆けつけてくれた。旅行で不在の友人の自転車を借りるべく、アパートまで。

事前に門番に話をつけてくれていたというが、不審者と疑われ、アパートの敷地内に通してくれない。友人とその場で電話をするも解決先は見いだせず。結局、その日は自転車を借り出せず、久しぶりの友人とのサイクリングはお預けに。

翌日になって、友人から連絡が入り、自転車を借り出せる手配が整ったとのこと。昨日のやり取りが嘘のように、この日の担当の門番は親切に、というか何の疑いもなく、あっさりと敷地内に通してくれた。

残念ながら、別の友人は予定があるということで、一緒にサイクリングはできず。1人なので気軽にサイクリングを楽しもうと、レブロン地区の海岸からイパネマ、コパカバーナ、レメ地区まで行き、そのまま折り返してくるコースを選択。

オーシャンビューのサイクリングコース

レブロン海岸のPost12からスタート

自転車を友人のアパートから借り出してくるうちに、すっかり日が昇り気温も上昇してしまった。日焼け止めで紫外線から防御して、いざサイクリングスタート。

天気に恵まれたこの日は、日光浴する人、スポーツを楽しむ人、皆が思い思いにビーチを楽しんでいる。この雰囲気がリオデジャネイロの醍醐味。

自転車専用レーンが設けられているので、サイクリングに最適。時折、ビーチへと急ぐ歩行者が前ぶりもなく横断してくるので、注意が必要。

2年ぶりに大好きなレブロン海岸を、潮風を感じながら自転車で駆け抜ける。この海岸から2ブロック、歩いて数分のアパートに暮らしていたのは、人生で夢のような時間だったと改めて実感。

ノスタルジーに酔いしれながら、レブロンからイパネマ・アルポアドールへ一直線。

イパネマから眺めるMorro Dois Irmãos

駐輪中に借り物の自転車が盗難に遭っては困るので、アルポアドールへは立ち寄らず、イパネマの端っこからMorros Dois Irmãos の眺めを楽しむ。海と山の自然に恵まれ、かつ都市としても発展しているリオデジャネイロ。まさに理想郷。

サイクリングコースで銅像巡り

ドリヴァル・カイミの銅像

イパネマからコパカバーナへは、オーシャンビューから一旦離れ、2,3分ほど市街地を駆け抜ける。その先には、曲線の美しいコパカバーナ海岸が姿を現す。

リオデジャネイロで暮らしていたときは、あまり訪れることはなかったコパカバーナだが、そのネームバリューはまだまだ健在。多くの旅行者を引き付けてやまない。

オーシャンビューサイクリングのもう一つの楽しみ方は、各所に設置された銅像巡り。

コパカバーナに入ると出迎えてくれるのはサルバドール出身の歌手・ドリヴァル・カイミの銅像。ブラジル通でなければあまり馴染みのない著名人の銅像も多いが、中には世界的な偉人の銅像も。

コパカバーナパレスの前のアイルトン・セナの銅像

その1つは伝説のF1ドライバー・アイルトン・セナの銅像。レース中の事故で34歳の若さでこの世を去ったアイルトン・セナはいまでも人々の心に生き続けている。

由緒ある佇まいのコパカバーナパレス

古いアパートが十分なメンテナンスが行き届いてなく、若干すたれているような姿と、新しく建てられたアパートが混在するコパカバーナ。日差しを浴びながら、海岸沿いを進むと、それまでのカオスのような雰囲気に一瞬、静けさが訪れ、リオデジャネイロで最も格式の高いホテル・コパカバーナパレスが現れる。

世界のセレブリティにも愛されたホテル。設備の老朽化は永遠の課題だが、真っ白の外観は、青空に良く映え、美しさと気品を漂わせる。

老舗ホテルに別れを告げて、ひたすらペダルをこぎ続ける。ヒルトンホテルが見えてくれば、コパカバーナからレメ地区へ。同じ海岸でも、ちょっと下町情緒を感じさせるレメ。

レメの展望スポットからの眺め

景色を楽しんだり、写真を撮ったりして立ち止まりながらのサイクリングは、レブロン地区からレメ地区の展望スポットまで約35分の所要時間。レメからの眺望は、山の見え方が変わり、別の都市に来たかのような錯覚にさせ陥る。火照った体を少し休めさせる。

この街で暮らしていたとき、全盛期の一番体が絞れていた頃は、ここまでランニングでたどり着いていた。昔の自分ながらにあっぱれ。さすがに今のコンディションでは残念ながら再現できそうにもない。

サイクリングの終盤 復路の眺め

レメで十分に休息を取ったら、帰りはレメ地区からレブロン地区までノンストップで駆け抜ける。心地よい疲労感とともに1時間ほどのサイクリングが終了。

日常のアクティビティの延長のように、リオデジャネイロの自然豊かな街並みを楽しみながらのサイクリング。

登録手続きは煩雑だが、レンタルシティサイクルもあり、ローカル目線で街の雰囲気を堪能するのに、サイクリングは最適なアクティビティ。

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