暮らすように旅を楽しむ-リオデジャネイロ編②

ブラジル

ポルトガル語の「Saudade」という言葉は、日本語訳では郷愁などと訳されるが、多くのブラジル人は他のどの言語もSaudadeの思いを十分に言い表している言葉はないという。ビーチに国立公園にそびえる山々、リオデジャネイロの景観はSaudadeの象徴でもあるが、今回は食べ物に懐かしさの焦点を当てて、ブラジル滞在中に欠かさずに食べるもの5選を紹介する話。

日本でもブレイク間違いなしのタピオカ

クレープのようなタピオカ

友人にリオデジャネイロへの到着を知らせると、「もうタピオカは食べたか?」と聞かれるくらい、自他共に認める無類のタピオカ好き。タピオカといっても、ドリンクに入っている黒色のゼリーにようなタピオカではなく、ブラジルのタピオカはクレープのような姿。タピオカの粉をフライパンに広げて、思い思いの具材をのせる。おかず系からスイーツ系まで。

初めてブラジルを訪れた際に食べた時の衝撃がいまだに忘れられず、そのモチモチとした食感の虜になってしまった。リオデジャネイロの行き付けは2つ。まずはTAPÍ

家庭でも一般的なタピオカをちょっとお洒落に食べられる場所。いつもはサーモンを注文するが、この日はドライミートとチーズのコンビネーション。

何度も噛みながらそのもちもちとした食感を味わう度に、ブラジルに戻ってきた実感が沸く。

このTAPÍ、以前はレブロン地区とガレオン空港内の店舗しか見かけなかったが、今回の滞在中、フラメンゴ地区にも新たな店舗がオープンしていたのを発見。TAPÍ以外では、ショッピングレブロンの近くで営業している屋台のタピオカ屋さんが行き付け。

タピオカのモチモチとした食感、すでに知名度抜群のタピオカなので、このブラジルのタピオカ料理も日本でブレイク間違いなしだが、今のところまだまだ日本ではあまり知られていないのが現実。

火照った体にアサイー

ハワイの紹介で取り上げられることも多いアサイーボールだが、そのアサイーは実はブラジルが原産。リオデジャネイロではシャーベット状のアサイーが一般的。

強い日差しに火照った体を冷やすのにもってこいの一品。

ブラジルに戻ってきてアサイーを注文するたびに、その値段がどんどん上がっていることに気付かされる。日本もようやくデフレから抜け出し、インフレが発生しているが、ブラジルでは常に物の値段は上がるもの。お金の価値を失わないためにも、消費をして今を楽しもうという気にさせられる。

アサイーを注文すると、自動的に甘味シロップを入れられるので、シロップ抜きで注文する。甘さのないアサイーは、本来の味わいを楽しむことができる。

パンジケージョがスーパーフードと融合

チーアシードの入ったパンジケージョ

Lanchoneteと呼ばれる軽食スタンドでアサイーを飲んでいると、総菜パンが目に入り、ついつい手が伸びてしまうのがパンジケージョ。ちょっぴりもっちりとした食感が特徴のパン。一口サイズなので、4、5個は一気に食べてしまう。

オーソドックスなパンジケージョ(左)とチアシード入り(右)

今回の滞在で、チーアシード入りのパンジケージョを発見。食べ物は保守的なカリオカだが、スーパーフードとの新たな融合。チアシード自体にはそれほど味がないので、噛んだ時に、若干、種の粒々した噛み応えと、パンジケージョそのもののもっちりとした食感が交わっている一品。タピオカを食べるまではいかなくても、小腹が空いたときに重宝する一品。

ブラジル料理No.1 ムケッカ

ブラジル料理といえば、肉のオンパレード・シュラスコが真っ先に思い浮かぶかもしれないが、個人的には肉よりシーフード派。アブラヤシの種子からできるデンデ油とココナッツミルクで煮込まれた魚介のシチュー・ムケッカはブラジル料理の中で最も好きなメニューで、機会があれば、真っ先に注文したくなる一品だ。

通常は調理した鍋ごと運ばれてくるケースが多いが、今回はランチメニューで注文したので、お皿に盛りつけられてきた。ココナッツミルクでトロピカルな味わいだが、魚介が使用されているので、日本人の口にも受け入れやすいだろう。

ブラジル北部の郷土料理

5選の最後を飾るのはブラジル北部の郷土料理。ほかの4品とは異なり、やや抽象的にはなるが、ブラジルに来た際には必ず食べたくなる料理。

広大な国土のブラジルには、各地域で食文化が大きく異なり、北部の郷土料理は他とは一線を画す、目新しさを感じさせてくれる一品が多い。魚介、蟹なども使用され、素材として日本人には馴染みでも、味つけで想像を超えていく。思わずご飯が進むおかずがたくさん。

リオデジャネイロでは北部出身の友人と食事をする際は、必ず地元料理が食べられるレストラン。メニューは料理に精通した友人にお任せして、存分に北部の料理を堪能。料理以外でも、アマゾン特有のフルーツのジュースやアイスクリームも絶品。

今回ピックアップした5選を中心に、食事を通してリオデジャネイロに暮らすように旅を楽しむヒントを紹介。この他にも、自分自身のお気に入りの食べ物を見つけて、滞在中に楽しめれば、旅もさらに充実するだろう。

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