暮らすように旅するスイス#6 スイスで最も美しい湖で過ごす避暑日帰りトリップ

スイス

予想外の猛暑に見舞われたスイス旅。美しい街並みの散策や、雄大なアルプスの眺めながらのハイキングも、酷暑のせいで存分に楽しめなくなってしまう。

スイス人の親友に相談すると、スイスで最も美しいとも言われるカウマ湖で暑さから逃れて水浴を楽しむことを提案される。国際的にはあまり知られていない場所で、それほど外国人観光客も多くはないので、静かに過ごせるそう。

事前リサーチで頭を情報で一杯にして期待値を上げることは避け、経路のみを調べて向かう。

チューリッヒから列車とバスを乗り継いだら渓谷へ

カウマ湖はグラウビュンデン州のフリムス地域に位置し、チューリッヒから電車とバスを乗り継いで2時間弱ほどの道のり。

3日間のフレキシブルタイプのスイスレイルパスを利用できる最後の日。早速チューリッヒ中央駅から列車に乗り込む。

車窓からの湖の眺め

スイスでの鉄道旅も慣れたもの。改札がないことにも驚かなくなり、車両に乗り込んだら携帯電話の充電ができるように、コンセントが近い席を真っ先に確保。

チューリッヒからは南東に位置するChur駅まで向かう。列車はチューリッヒ湖を沿うように進み、車窓からは美しい湖ビューが広がり、スイスらしい鉄道旅の気分を味わう。

いつまでも見とれていられる車窓の風景だが、1時間ほどで目的地のChur駅に到着。

列車からバスに乗り換えるクール駅

ここからバスに乗り換え。バス停がうまく見つかるか若干不安だったが、駅のホームを上がった2階がバスターミナルになっており、迷わずにたどり着く。我ながら順調な乗り換え。

Chur駅のバス乗り場

ここから81番のバスでカウマ湖まで向かう。所要時間は30分ほど。好天に恵まれた日というせいか、バスは満席の乗客。絶好のハイキング、湖での水浴日和。

列車からバスに乗り込み、15分ほどするとバスが出発。運転手がガイドのように車内アナウンスが繰り広げられ、時折、車内に笑い声が響き渡る。残念ながらドイツ語の知識ゼロのため、話の内容が推測すらできない。ユーモアあふれる運転手の心意気を感じることができただけでもよしとしよう。

突如現れる息をのむ美しさのカウマ湖

最寄り駅に到着したバスを降りる。湖はいづこ?というような村のバス停留所。スイスの地方で見かけるスーパーVolgが近くにあったので、お菓子などを購入。

グーグルマップに従って湖のほうへと歩き始める。

ハイキングコースなどの案内板

間もなくすると、ハイキングコースの入り口のような場所にたどり着く。ここからは、森の中の道を進んでいけば湖まで到着できそうだ。

案内図には、いくつものハイキングルートが示されており、カウマ湖以外にも自然を満喫できるルートがいくつも整備されているようだ。

アルプスの新鮮な水

物価の高いスイスにあって、水は比較的簡単にアクセスできる。この日も、湖までの経路にいくつか給水ポイント。

太陽は照り付けているが、木々の中を進んでいるせいか、幾分涼しさすら感じられる。

カウマ湖までのケーブルカー

少し歩き進めるとケーブルカー乗り場にたどり着く。どうやら、カウマ湖の入り口まで降りることができ、料金もかからないようだ。

帰りは上り坂になるので、ケーブルカーを利用することにして、行きはまだ体力が存分に余っているので、そのまま歩いて先を目指す。

ターコイズブルーのカウマ湖

時折カーブを描きながら山道を下っていると、木々の間から突如、ターコイズブルーの水面が姿を現す。思わず、その鮮やかな色に目を奪われる。

これがスイスで最も美しい湖の1つとされるカウマ湖。事前にその姿をリサーチしてこなかったゆえ、感動もひとしお。下り坂の順路に加え、早くその美しい湖を間近で見てみたいという思いに駆られ、歩くスピードが自然と早まる。

湖の楽しみ方は?

入場料案内

湖と同じ標高まで降りてくると、案内板。どうやら入場料のようなものがかかるようだ。ビジター利用で1日18スイスフラン(=約3,400円)

芝生が整備され、のんびりとくつろげるスペースではある。しかし、夏休み&好天のせいか、かなりの人で賑わっている。お金を出してまで、がやがやしている場所は避けたい。

ひとまず、湖の周りを歩いて一周してみよう。

入り口周辺は、フェンスが設置され、有料の芝生スペースに割り込めないようになっている。

しばらく湖の周りを進んでいくと、フェンスは姿を消し、芝生が整備される平らな場所はなくなる代わりに、岩場など少しくつろげるスペースが現れる。

人気もこちらのほうが少ないうえ、料金はかからない。のんびりするには、こちらの場所のほうがよさそうだ。

早速、バス停近くのスーパーでゲットしたスイスのお菓子を食べながらチル。遠目に見えた鮮やかなターコイズブルーの湖は、至近距離からはその色合いが落ち着いて見えるが、それでも透明度は高く、水の中を泳ぐ魚の姿があちこちに目につく。

無料ゾーンにもスイス人ビジターの姿もちらほら。皆、ピクニックを楽しんだり、泳ぎを楽しんだりと思い思いに時間を過ごしている。

水温はやや冷たいと感じるくらいだが、太陽が照り付けている場所ではちょうどよい水温。早速、水の中へ。

ここ数日のスイス旅での猛暑を忘れ、体を冷やしながらリラックス。水深は思ったよりも深く、岸からものの2-3メートルも離れれば、足はつかなくなる。監視員らしき人はいないので、すべて自己責任。あまり無理しないように泳ぐ。渓谷の中の湖で水浴を楽しむ、スイス旅の醍醐味を堪能。

美しい湖畔の景色を眺めながらランチ

湖にはレストランもあるので、手ぶらで来ても問題はない。しかし、この日も親友宅のキッチンでランチのサンドウィッチを作って持参。なんでもない食事だが、この景色を前にしたら、ご馳走に様変わり。

湖を楽しむカモの姿

泳ぐ人、カヌーを楽しむ人、日光浴に勤しむ人、世界一物価の高い国の1つで、平均年収も高いスイス人だからといって、SNSでキラキラするような消費に走るのではなく、自然の中でのスイス人の豊かな時間の過ごし方を目の当たりにする。

近くに女性1人がやってきたと思ったら、さっさと服を脱いで、勢いよく水に飛び込んでいった。衣類、携帯、貴重品などはそのまま残されている。特に見張りはいないが、スイスの治安を考慮すれば、心配する必要はないのかもしれない。

親友の言う通り、あまり外国人観光客には馴染みがないせいか、混雑らしきものはなく、スイス人観光客が大半を占める。

湖と山の自然の景色を前に、旅行中の雑念を忘れ去り、気持ちをととのわせる。世界遺産の名所を訪れたり、街歩きにグルメを楽しんだりと旅行中にアクティブに活動するのも有意義な時間だが、一瞬立ち止まって、この日のように自然の中に静かに身を置いてみる時間も貴重。

水辺と渓谷の景色を眺めているだけで何の生産性もないかもしれない。それでも、ここまでたどり着くのに旅をしてきたのは事実であるし、猛暑や混雑する観光地の喧騒を回避して、このようなひと時をスイス滞在期間中に過ごせたのは何にも代えがたい。

別のスイス人の友人にカウマ湖を訪れたことを話すと、秋口には、紅葉が広がり、湖の色とのコントラストが芸術的と教えてくれ、季節を変えて再訪するのも次のプランになりそう。

予想外の猛暑のスイスの夏から逃れるようにたどり着いたカウマ湖。スイスで最も美しいとも言われる湖畔は、チューリッヒからもアクセスがよく、リラックスしながら気持ちを整えるのに一度は訪れてみたい場所の1つ。

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