カナイマ国立公園 エンジェルフォール旅の疲れを癒してくれる青の泉

ベネズエラ

長年の夢だったエンジェルフォールの訪問を果たし、カナイマ国立公園での旅にもう思い残すことはない。後はPozo Azulと呼ばれる青の泉を訪れて、ひっそりと佇む水辺で、前日のエンジェルフォールへの旅の疲れを癒す1日。

所要時間約3時間の気軽なツアー

半日近くを移動に費やしたエンジェルフォールのツアーから一夜明け、正直体は疲れ切っていた。事前に申し込んでいたPozo Azulのツアーは午前10時発と、朝はゆっくりできるのが利点。別の宿泊施設に滞在する同僚は、滞在する宿泊施設から、無料でPozo Azulのツアーへのオファーを受けたという。何でも昨日のエンジェルフォールのツアーの後、宿泊施設で準備されていた軽食に、同僚が事前に注文して置いたグルテンフリーのメニューがなかったことへのお詫びのようだ。

Pozo Azulのツアーは、所要時間3時間ほどで、料金は60米ドル。

ツアーの移動に不可欠なあボート

早起きをする必要はないので、ゆっくり朝食を取ってから出発。ボートの姿が目に入ると、前日に8時間も乗船していた記憶が蘇り思わず苦笑い。それを察してガイドは、今日のボート旅は20-30分で、その後40分ほど歩くだけだからと説明してくれた。

流れが穏やかな川を進む

前日とは打って変わって、流れの穏やかな川を進む。地元の先住民たちはこのルートは、エンジンの付いていないカヌーでも移動するようだ。

出発時点では青空広がっていたのに、5分もしないうちに雨が降り始める。この地域は各ポイントによって天候が変わりやすいという。雨の地点を通過すると、再び太陽の姿。

国立公園内をハイキング

ボートの停泊所にたどり着いたら、そこからはハイキング。前日の山登りとは異なり、平坦な道を進んで行く。これなら体力も奪われずに済みそうだ。事前の予告通り30-40分もすれば目的地に到着。

Pozo Azulの入り口

先住民の言葉ではKURAWUAと呼ばれる青の泉。ここまでの道のりでは、水辺があるような景色が想像もつかなかったが、目の前に広がったのは、文字通り青色の水が貯められてできた空間。周囲の木々がその存在を隠すようにひっそりとしている。

Pozo Azul
水遊びを楽しむ観光客

エンジェルフォールと比較すると、このツアーに参加する観光客の数は少なく、混雑なく過ごせる。早速、シャツを脱いで水の中へ。少々、冷たさも感じられるが、照り付ける太陽からの熱を冷ましてくれるのにちょういい温度。

同僚とともに、前日のエンジェルフォールツアーで8時間近くボートに座りっぱなしだった体をほぐしながらリラックス。腰と背中の筋肉の痛みが緩和されていく。エンジェルフォールのツアーを担当してくれたガイドともここで再会。今日は別のグループを引率して、このツアーを担当しているようだ。

30分ほど、水の中でリラックスして切り上げると、ガイドから軽食が提供される。

軽食のサンドウィッチ

食事が提供されるとは知らず、宿泊施設を出発する際に、従業員にツアーから帰ってくるのが午後2時くらいになるが、昼食を取って置くように依頼してきた。それはさて、簡単ではあるが、木漏れ日が差し込む青の泉の景色を眺めながらの食事は、味わいを増してくれる。他のツアー客も次々に、水遊びを切り上げて食事休憩。

全員の食事が済んだら帰路へ。エンジェルフォールのツアーとは異なり、所要時間が短いので、文字通りあっと言う間に宿泊施設まで戻ってくることができた。

ランチタイムを過ぎても準備しておいてくれた食事

受け付けを通るや、食事の用意ができているという。サンドウィッチで空腹は回避できたが、せっかくなので昼食も頂く。お腹が満たされたところで、後は部屋でのんびりして最後のひとときを過ごそうと思っていたら、夕方から地元のコミュニティを巡る無料のツアーが提供されるという。それまでは昼寝と読書をしてくつろぐ。

控えめながらもおもてなし精神の溢れる地元コミュニティ

日が傾きかけたころ、宿泊施設からコミュニティー訪問ツアーが出発。診療所や学校、スーパーなどを巡っていく。自然豊かな大地にも、先住民族の生活が脈々と受け継がれている。民家の庭に干された洗濯物は、ホテルの制服が並び、観光産業がコミュニティーにとっていかに重要かということを実感。実際の観光収入の交付はブラックボックスの中ではあるが、エンジェルフォールを含むカナイマ国立公園へのツアー料金が割高なのは、コミュニティーを支える側面もあると考えると納得。

先住民族の民芸品

観光ツアーの定番、民芸市場にも立ち寄る。先住民族の民芸品は、東南アジアで見かける品とも類似性があり、文化人類学の観点からは興味深いが、値段やサイズを度外視してでも、一目惚れで何としても持ち帰りたいと思う一品には出会わず。

地元の交響団による演奏

民芸品市場の前では、観光客の買い物が終わるタイミングを見計らって、地元の交響団による演奏が始まる。さらには、観光客も交えてダンスも。このパフォーマンスの後でも、チップを請求する姿は見られず、この地を訪れた観光客に感謝の言葉が述べられ、地元の人の派手さはないが、心からのおもてなし精神に感動。

世界各地でオーバーツーリズムが問題視される中、この地は素朴な雰囲気を保ちながら、先住民族の生活と観光業の共存が続いていくことを願う。

宿泊客勢ぞろいでディナー

コミュニティー訪問ツアーから戻るや、そのまま宿泊施設でディナー。最後の夜ということで、宿泊客の1人の音頭によって一同全員で夕食を取ることに。従業員が机を並べ替えてくれて、皆で夕食を頂く。

宿泊客の中にはエンジェルフォールのツアーに参加しなかった小さな子供連れの家族がいたので、その様子を皆でシェアしたり、他のツアーの様子を報告したり、尽きない話に、夜が更けていく。

イースター休暇後の閑散期だったとは言え、他の素敵な宿泊客にも恵まれ、Campamento Canaimaでの滞在は大満足で幕を閉じる。

カナイマ国立公園といえばエンジェルフォールが真っ先に思い浮かぶが、それ以外のツアーも充実しており、この記事で紹介したPozo Azulや、地元のコミュニティーを巡るアクティビティも存分に楽しめる内容となっている。

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