3泊4日のカナイマ国立公園の旅もいよいよ最終日。この日は、カナイマからカラカスに戻るフライトが午前9時25分出発ということで、実質的な旅程は、ホテルで朝食後、チェックアウトをして空港に向かって首都まで戻ってくるのみ。カナイマでの最後のひと時とエンジェルフォールを訪れた今旅の振り返りを紹介する話。
帰りの航空券は手書き
朝一のフライトの為、前日に宿泊施設の従業員から午前8時までに部屋のドアの前に荷物を出して置くように指示される。宿泊客の荷物はまとめて空港に運ばれるようだ。
フライトのチェックインの手続きは存在しないに等しく、ホテルの受け付けで航空券となる紙に手書きで搭乗者名と搭乗便、座席番号が記入され手渡される。

オンラインチェックイン、ORコードとは無縁のアナログの世界にノスタルジーが漂う。搭乗システムとどのようにリンクしているのかは不明だが、まだまだこの方法で機能しているということだ。

開放的な空間から滝の景色が広がるレストランでの食事もこれが最後。あいにくの曇り空ではあるが、宿泊客は名残惜しそうにその景色を眺めながら朝食を取っている。楽しいひと時はいつものように一瞬で過ぎ去り、元の日常へと戻る瞬間が訪れるもの。
フライトの遅延、宿泊施設内の即席の植物園ツアー

往路でカラカスを7時30分に出発して、8時30分過ぎにカナイマに到着した便が、乗客と荷物を入れ替えて9時25分にカラカスに戻る形となる。そのカラカスかrらの便の到着が遅れるという。代替機が待機できるほどの施設がないカナイマ空港では、飛行機が来るのを待つのみ。その間、ホテルが即席で施設内の植物園を回るミニツアーを実施してくれた。機転が利いた計らい。
施設内にはトロピカルという言葉がぴったりの色とりどりの花が咲き乱れ、胡蝶蘭の姿もあちこちに。日本では店舗の開店祝いぐらいでしかお目にかかることはないが、この地域では高級花という位置づけではなさそう。ホテルで植物などを管理している従業員が、どのように施設内の植物の生育を管理しているか、どのような種類の植物が育てられているか一通り説明してくれた。

植物に焦点を当てながら宿泊施設内を周り、再びロビーに戻ってコーヒーで一服していると、カラカスからの飛行機が到着するということで、空港に向かう。

滑走路横の建物には民芸品売り場が並んでいるが、航空会社のチェックインカウンターも、手荷物検査場もなく、荷物は所定の位置で係員が目視でチェック。ここもアナログ。危険物が持ち込まれるリスクが低いゆえに機能する仕組み。

1時間ほどの遅延があったが、無事に飛行機はカナイマを発ち、首都カラカスへ向かう。特にトラブルもなく無事に到着。エンジェルフォールを訪れるカナイマ国立公園への旅が終了を告げる。
旅の振り返り

長くラテンアメリカで生活する中で、訪れたい場所の1つとしてリストに載せていたエンジェルフォールの旅を終えての振り返り。
まずは、高額なツアー代金を支払ってでも訪れる価値はあるのか。今回の旅は3泊4日、エンジェルフォールとPozo Azul のオプショナルツアーを付けて、航空券、宿泊費、食事すべて込みで1,648米ドル(約25万円)。決してお買得とは言えない値段だが、それでもエンジェルフォールを含むカナイマ国立公園の自然は唯一無二の存在で、訪れる価値はあると言えるだろう。
次に訪れる時期について、5月の終わりから8月が滝の水の量が増して理想とされているが、近年は降雨のパターンも変化しており、予測が立てづらくなっているようだ。4月のイースター休暇中に訪れた同僚は、その時期でも滝から十分な水が流れていたという。5月初旬の今回の旅でも、エンジェルフォールから勢いよく水が落ちる姿を見ることができた。そこまでの道のりに関しては、雨が十分に降っていないため、川の水位が低い箇所がいくつかあり、ボートを降りて川辺を歩いて移動することになったが、それほど大きな支障はなかった。
イースター休暇中は繁忙期だが、5月初旬は閑散期のようで、部屋を無料でアップグレードしてくれた上、宿泊客も少ないので、1人1人に従業員が目配りをしてくれているように感じられた。また、ホテルに到着する前に全てのオプショナルツアーを申し込むように促されるが、実際には当日でも空きがあれば申し込みは可能。
日程については、メーデーの祝日を活用するため、カラカスを木曜日出発の3泊4日を選択したが、理想を言えば、日曜出発の4泊5日がお勧め。エンジェルフォールを訪れるのには、以前の記事で紹介したように、日帰りツアーでも1日がかりでかなり体への負担も大きいので、ゆったりとした日程を組んで、1日ホテルでゆっくり過ごす日を設けるのがよいだろう。

宿泊施設はWaku Lodge派とCampamento Canaima派に分かれるが、今回は空室の状況から後者に滞在。施設は新しくて清潔で、この宿泊施設に限らずだが、犬が多いのが少し難点。Wi-Fi の電波は受付とロビーまでで、部屋ではネットに繋がることができないが、デジタルデトックスをするには最適な環境。部屋でもWi-Fi が必要な場合は、WAKU Lodgeに滞在した方がよいだろう。また、アクティビティから戻った後の軽食についてもWAKU Lodgeの方がメニューが充実していた印象。
以上、エンジェルフォールを含むカナイマ国立公園ツアーについて参考になれば幸い。