今回のニュージーランド旅の目的は、レンタカーで南島一周のドライブ、心行くまで絶景を楽しむハイキング、そしてワイナリー巡り。ニュージーランドワインにはあまり馴染みがなかったが、ワイナリー巡りを通してローカルなワインを味わう話。
自転車で一日ワイナリーを駆け巡る
前日にニュージーランド南島の北東部ブレナムにたどり着き、周辺の情報をチェック。ソービニヨンブランのブドウの品種で有名なマールボロのワイナリーを巡ることにしよう。
レンタカーもあることなので、願わくば車で色々なワイナリーを巡りたいところだが、テイスティングをしたら運転ができなくなってしまうのが難点。Getyourguideでワイナリー巡りの選択肢をチェック。
専用のバンで各ワイナリーを巡るツアーは1日で20,000円近い。昼食は含まれていない上、お土産のワインを購入するとなれば、結構なお値段に。
天気予報をチェックすると、快晴に近い予報が続いている。これは、自転車を借りて自分で好きなワイナリーを巡る方が経済的かつエコフレンドリーで楽しそうだ。
Getyourguideのサイトで自転車のツアーを予約。
ツアーには宿泊先までの往復の送迎、自転車レンタル料が含まれており、約5,500円。
民泊でピックアップしてもらい、自転車のレンタル場所へ。ワイナリーの地図を渡され、お勧めのワイナリーや、ワイナリー巡りのコツを色々教えてもらう。さらに、各ワイナリーで購入したワインは、名前を伝えれば、ガイドの方が後でピックアップしてくれるようで、自分で持ち運ばなくてよいそうだ。
強風に大苦戦
自転車をレンタルしていざ出陣。時間との兼ね合いもあるが、4-5ケ所巡って3本くらい気に入ったワインを購入できればと考えながら、ペダルをこぎ始める。
自転車でのワイナリー巡りを後押しするかのような晴天。が、しかし行く手を阻む強風。変則ギアで一番軽い設定をして、なんとかペダルをこげるくらいの風が吹き付ける。
おまけに日は照っているけれど、この強風のせいでかなり肌寒く感じる。サイクリングで汗ばむことを想定して、着替えのシャツや水分を少し多めに持参したが、全く不要となった。
日差しの強さは予想以上、さらに高速道路沿いをサイクリングする際は、道路からの照り返しもあるので、日焼け止め&サングラスはマストアイテム。
NZワインは白!!
これまでの人生でニュージーランドワインを飲む機会はほとんどなかった。それもあって、是非今回の旅ではワイナリーを巡って、ニュージーランドワインについて、少し知見を広げてみたい。
- Forrest
最初のワイナリー訪問となる「Forrest」に到着。早速ワインテイスティングを注文。7種類でお値段14ドル(=約1,350円)
早速テイスティングのトレイが運ばれてきて気づかされたのが、7つのち6つのグラスが白ワイン。ソービニヨンブランで名高いニュージーランドワインだけあって、白ワインが中心となる。
どちらかと言えば赤ワイン派なので、少し落胆はしたが、これは白ワインの経験値を上げるよい機会だ。
良質なソービニヨンブランが育つという以外にも、ニュージーランドではイギリス植民地時代の名残か、フィッシュ&チップスをはじめとして魚料理もよく食べられるので、料理との相性でも白ワインの方が好まれることが多いそうだ。
旅行に来る前は、ラム肉のイメージしかなかったので、てっきり赤ワインが優勢かと思い込んでいた。
テイスティングメニューとにらめっこしながら、1つ1つのグラスをゆっくりと味わっていく。ソムリエのような舌を持ち合わせているわけではないが、さすがに同時に違う種類のワインを試飲すると、それぞれの味わいの特徴が口の中で記憶を残す。
この「Forrest」というワイナリーのテイスティングは、いつでも自由に出入りでき、テーブルまでトレイを運んでくれ、質問があればいつでもお気軽にというスタイル。あまり、専門的な内容を説明されても腰が引けるので、リラックスして楽しめる。
- Gibson Bridge
2ケ所目に訪問したGibson Bridgeは、先ほど訪れたForrestから直進して2キロほどの距離。
ワインテイスティングは12-16時までの間のみという点と、ブティックブドウ畑という言葉に魅かれた。洋服を販売するブティックと聞けば、ノスタルジックな雰囲気を想像するが、ブティックホテルなどと形容されるとちょっと洗練されたイメージを抱いてしまうのは何故だろう。
12時を少し過ぎて入店したら、すでに4人組のグループに向けてワインテイスティングが始まっていたが、まだ1杯目の説明だから大丈夫ということで、途中参加させてくれた。
最初のグループが終わるのを待っていたら30分以上はかかるだろうから、ラッキーだった。このワイナリーでもテイスティングは先程と同じ15NZドル。
先程のForrestとはスタイルが違い、共同オーナーが1つ1つワインの説明をしながらテイスティングしていく。
ブドウの品種や、その歴史的な背景等、丁寧に説明してくれ、ワインを味わうだけでなく知識の面からもニュージーランドワインにアプローチさせてくれるワイナリー。
ブティックワイナリーと名乗るだけあって、テイスティングのテーブルもちょっとお洒落。
テイスティングしたワインの中で、Pinot Blancの品種のワインが強烈な印象を残してくれた。お値段をチェックすると70NZドル(=6,300円)。結構なお値段。購入候補リストに入れておいて、他で見つからなければまた戻ってこよう。
- Bladen
3ケ所目に巡るワイナリーはBladen。こちらはテイスティングが11時、13時、15時と1日3回だけというのに興味を惹かれ選択。
家族経営のこじんまりとしたワイナリー。持続可能な事業規模でワインを生産していく姿が魅力的。
一画に設けられたテイスティングスペースで、ワイン1本1本、家族の歴史とともに、30年ほど前にこの地でどのようにワインの生産が始まったかを説明してくれた。
欧州ワインと比較すると、歴史の浅いニュージーランドワインだが、国際的な評価は高く、小規模のワイナリーが点在する程度だっマールボロは一大生産地として、数多くのワイナリーがしのぎを削る場所へと変貌したそうだ。
アットホームな雰囲気のワインテイスティングで、少し場所を離れてワイン畑にも足を運んで、ブドウの栽培のノウハウについても説明してくれた。
4,5ケ所のワイナリーを巡ろうと思っていたが、強風の為、想定以上に体力を消耗してしまった上、3ケ所目が終わった時点で、少しほろ酔い気分になってきたので、ここで打ち止め。
今回のワイナリー巡りではForrestの「The Doctors(ソービニヨンブラン)」とBladenの「EIGHT ROWS RIESLING 2022」を購入。
酔い冷ましのサイクリング
マールボロのワイナリー周辺には自然保護区があり、近くに川も流れておりサイクリングで自然を楽しむこともできる。
テイスティングとは言え、トータルではグラス3-4杯くらいに相当する量は飲んだはず。さすがに少し酔いが回って来たので、ワイナリー巡りを終えてのんびりとサイクリング。
ブドウ畑のそばをのんびりと自転車で駆け抜ける。10月はまだまだぶどうが実る時期ではないが、葉か生育している姿に翌年のワイン生産に期待を抱かせる。
今回のマールボロでのワイナリー巡りで、ニュージーランドワインについて少し知見を深めることができた。
バンでワイナリーを巡っていくツアーもよいかもしれないが、天気のいい日ならば、自転車でワイン畑の自然を楽しみながら、思い思いのワイナリーを訪れていくのも楽しいものだ。