イギリス旅で外せないのが博物館・美術館巡り。星の数ほどある文化施設は、短期間の旅行ですべて制覇するのは至難の業。かつてイギリスに暮らしていた時に、大英博物館など代表的な場所は訪れたが、それでもまだまだ訪れたことのない博物館・美術館の方が圧倒的に多いのが現状。今回の暮らすように旅するイギリスの滞在中に訪れた博物館・美術館をピックアップして紹介する。
デザインからアートに触れる

まず初めは、イギリス人の知人におすすめされた the Design Museum ロンドンの高級住宅街・ケンジントンに位置する美術館で、そこまでの道のりも閑静な住宅地の雰囲気を存分に味わうことができる。

美術館は、吹き抜け構造になっており、その天井は折り目を付けたようなデザインが特徴。階段やフロアの木目も真新しさを感じる。常設展では、工業デザインを中心に展示されており、日本の工業製品のデザインの遷移も見ることができ親しみを感じる。
窮屈さは感じない空間だが、かといって大英博物館のような広大な展示室があるわけではないので、1-2時間で十分回れる広さ。ロンドン中心部から少し離れているせいか、外国人観光客の数は少なめで、落ち着いた雰囲気。
ナショナルギャラリーでミレー展へ

今回のイギリス滞在では、訪れたことのない博物館・美術館を中心に回ろうと考えていたが、ミレー展が実施されているということで、何度目か不明だが、再びナショナルギャラリーへ向かう。
相も変わらず、多くの人で賑わうナショナルギャラリー。世界的な名だたるコレクションを誇りながら、入館料が無料なのはありがたいが、いかんせん、この入場者の数には時折頭がくらくらしてしまう。

広すぎる館内では、特別展示展がどこなのかを探したどり着くのも一苦労。方向音痴の身には、どの展示室も同じに見えて、自分がどこにいるのかすら把握できないのが難点。
それでも何とか、ミレー展の展示室に到達。中世の華やかな肖像画や宗教画とは一線を画す、農民の日常を描いた世界観に引き込まれる。携帯もSNSもない時代、さらに農業に従事する人々のシンプルなライフスタイルに想像を働かせてみる。
少しばかり、ミレーの世界にどっぷり浸かったら、一目散に混雑する館内を後にすることも頭をよぎった。しかし、せっかくなので、ナショナルギャラリーを訪れた際に必ず立ち寄るゴッホのひまわりの絵画だけ見てから引き上げる。
スパリゾートの博物館へ

イギリス滞在中に訪れてみたかった場所の1つがロイヤル・タンブリッジ・ウェルズ。以前、イギリスの新聞の日曜版の旅行冊子で紹介されているのを見てから、イギリス訪問時のウィッシュリストに加えていた。
地名にロイヤルと付けられているのから想像できる通り、イギリス王室が保養のために訪れた場所で、1700年代半ばにはスパリゾートとして繁栄を極め、流行の最先端の街だった。
その中心地にある The Amelia Scott は アーチ形の建物が特徴。内部は街の歴史を伝える展示に加え、図書館や子供向けの学習スペースなどもある。館内に設置されたピアノに向かって、曲を演奏するおじいさんの愛しい姿も。

一番見たかった展示スペースは、雨漏りのため入場に規制がかかっており、入り口から少し覗けた程度。
正直、このスペースのためだけに、わざわざロイヤル・タンブリッジ・ウェルズまで足を運ぶのはおススメしない。しかし、この街に立ち寄る機会があった際には、このアメリア・スコット以外にも博物館や美術館があるので、はしごしてもよいだろう。

博物館・美術館ではないが、ロイヤル・タンブリッジ・ウェルズで目を引いたのが、かつての教会を改修した劇場。その前を通りかかった際は、教会の前に演目の紹介がされていることが理解できなかったが、中に入ると教会としての存続から劇場として生き延びる方法が選択された歴史が説明されていた。

古い建築物を大切にするイギリスとはいえ、教会などの歴史的建造物の維持・管理のコストは計り知れず、持続可能でない場合もある。その際に、ただ取り壊すのではなく、別の用途として生き延びる策を見出す発想力に感嘆。
例えば、同じように日本の歴史ある神社などが担い手がいなくなり、存続の危機に陥った場合、どのような解決策でその建造物を後世に引き継ぐことができるだろうかと思いを巡らせる。
ロイヤル・タンブリッジ・ウェルズ以外にも、暮らすように旅するイギリス#3で紹介したダリッジのイギリス最古のギャラリーも今回の旅では訪れた。
イギリス旅では欠かせない博物館・美術館巡り。そのほとんどが入館料が無料というのが旅行者にはありがたい。今回の滞在中、初めて訪れた博物館・美術館もあったが、まだまだ訪れたことのない場所の方が多く、次回のイギリス訪問までに、訪れたい施設のリストアップに取り組もう。
