暮らすように旅するカーボベルデ#4 カーボベルデ・サル島の物価

カーボベルデ

日本から休暇をリゾートで過ごすためにカーボベルデを選択する観光客は皆無に近いだろう。それゆえ、カーボベルデの物価については、あまり情報がなく、出発までは、旅にどれくらいの費用がかかるか見通しが立たなかった。

アフリカ諸国の1つであるカーボベルデ。しかしサル島に限ればリゾート地でもあり、物価は必然的に観光客向けプライスになってしまう。10日ほどの旅を通した経験から、現地の物価について紹介する。

バックパッカー宿から5ツ星ホテルまで

ヨーロッパでのサンティアゴ巡礼を終えた後、のんびりするために訪れたカーボベルデ。とにかくリラックスして過ごすのが一番の目的。

宿泊先に求めたのは海が見えること、キッチンが付いていることの2つの条件からAirbnbで民泊を探す。アパートの一室を借りる形で、11泊で料金は約440米ドル(=約66,000円)

サル島には、若者のサーファー向けの割安なバックパッカー宿から、ヒルトンなど欧米のホテルチェーンの5つ星ホテルまで揃っている。

カーボベルデを旅する前に滞在したポルトガルでは、サル島までの航空券とホテルがパックになったオールインクルーシブのツアーの商品を旅行代理店でよく見かけたので、ビーチ沿いのホテルを利用する観光客はパッケージツアーで訪れている人が大半だろう。

宿泊先を予約した後は、そこにたどり着くまでの足を確保しなければならない。サル島のアミルカール・カブラル(Amílcar Cabral)国際空港までは公共交通機関らしきものは事前のリサーチでは見つけられず。

民泊のオーナーに相談してタクシーを手配してもらう。空港からビーチのあるサンタマリアまでは20ユーロ(約3,400円)乗車時間は30分ほどなので、カーボベルデは激安の国という印象は受けないだろう。

デイツアー50ユーロ前後

サル島には様々な観光資源があり、1日ツアーで各所を巡ることができる。主な見所はこちらの記事を参考に。

ツアーはサンタマリアの中心部にある各旅行代理店で申し込むことができるほか、オンラインのGet your guide などからも参加することができる。

1日ツアーは、訪れる場所や昼食の有無で料金は異なってくるが、概ね5,000円から1万円未満で収まるものがほとんど。ツアーに関しては、各段に料金が高いというような印象は受けず、リーズナブルと言ってもよいだろう。

果物・野菜は高値の花

サル島に輸送されて販売される果物・野菜

年間を通じて雨がほとんど降らないサル島。温暖な気候と太陽を求めてくる観光客には最適だが、作物が育たないので、食料はカーボベルデの他の島からの輸入に頼る形になり、輸送費が上乗せされる分、果物・野菜は割高。

サル島の市場で購入した果物・野菜

約10日間ほどの旅をすべて外食で済ませるのは胃が疲れてしまう。そのために、キッチンの付いた民泊を選んだのもあり、簡単な料理をすべく、市場で果物と野菜を選ぶ。1つ1つの値段を尋ねていては埒が明かないので、値段は気にせず、料理に必要なものと、食べたい果物・マンゴーとパパイヤを選択。

これで15ユーロ(=約2,500円)!! 長期の旅行中は食生活が乱れるので、多少、値が張っても野菜と果物が食べれるときは、健康への投資と言い聞かせる。

水揚げされた魚

果物や野菜が割高な一方、鮮魚はリーズナブル。午前中にサンタマリアの桟橋に向かえば、その日に水揚げされた魚を購入することができる。

種類によっても異なるが、小ぶりの魚は1キロ3.5ユーロ(=約600円)で販売してくる。カーボベルデ旅を安くしようと思ったら、迷わず魚を食べておけばどうにかなる。新鮮さは折り紙付きなので、グリルするだけ十分。

観光客向けレストランはヨーロッパ並み

3,000円以上もしたタコのグリル

カーボベルデ滞在中、昼間はカフェやレストランで食事することが多かったが、観光地の中心部のランチ価格はヨーロッパ並み。

1日ツアーで案内されたレストランで、タコのグリルを注文したら20ユーロ(=約3,400円)!! スペインのガルシア地方でぷりぷりのタコを堪能した後だったので、さぞかし立派なタコ料理を期待したが、運ばれてきた皿を見て思わず「小さッ!!」と声が出てしまうくらいのサイズ感。

ガイドによると、カーボベルデ近海の海で獲れるタコは種類が異なるという。味・食感は申し分なかったが、この大きさ、カーボベルデという土地を考慮すると、観光客向け価格のレストランは、円安も相まってなかなかのお値段。

カーボベルデでの滞在が数日過ぎる頃には、大体の物価の感覚、観光客と地元の人との境界線のようなものが見えてくる。

街の中心部のメイン通りから1本、また1本と離れていくごとに、レストランでの価格も割安になってくる。そうすると5-7ユーロ(=約800円-1,200円)くらいのリーズナブルなランチメニューを提供してくれる店に巡り会える。

円換算すると、日本人の感覚からすれば、ランチに1,000円前後と、カーボベルデの物価は決して安い印象を受けない。そうなると、地元の人にとってのローカルプライスが気になる。

ツアーのガイドや、レストランの従業員、道端で出会った人達と話をする中で、ランチにかける費用について尋ねると、概ね3-4ユーロ(=約510-680円)くらいが相場という。

ご覧のように、カーボベルデ・サル島は費用を安く抑えたいバックパッカー向けの旅先ではないかもしれない。しかし、観光地の中心部を避けて、ローカルな雰囲気のレストランを利用する、野菜より魚を多く食べるなど旅の予算を浮かせる秘訣はいくつかあり、費用は多少かかっても、美しい海が迎えてくれるカーボベルデのサル島を次の旅先の候補に加えてもらいたい。

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