暮らすように旅するカーボベルデ#1 大西洋の島国・カーボベルデはどんな国?

カーボベルデ

次の旅の目的地はカーボベルデと言うと、同じように旅好きの友人たちは、どの島がよかったか旅の後に聞かせてくれという反応が多かった一方、「どこその国?」「どこにあるの?」という反応を示した友人も多かったのも事実。

2026年開催のサッカーのワールドカップに初出場する国として、ニュースで少し取り上げられたのを耳にした人もいるかもしれなが、まだまだ馴染みの薄い国かもしれない。

そこで今回は、大西洋に浮かぶ島国・カーボベルデがどのような国なのかについて簡単に紹介し、暮らすように旅するカーボベルデ編の幕開けとしよう。

ポルトガルから4時間のフライト

カーボベルデは、アフリカ大陸のセネガルの西の方角、大西洋に浮かぶ島国。かつてはポルトガルの植民地で、1975年に独立。

1960年にアフリカ大陸では多くの国が独立を果たす一方、カーボベルデの独立は、モザンビークなど他のアフリカのポルトガル植民地同様それよりもずっと後のことになる。

国連人口基金(UNPF)の統計によると、カーボベルデの人口は約50万人。このうち15歳から64歳までが人口の68%を占め、65歳以上はわずか7%という。

これまでの人生で、70ケ国以上を旅してきたが、いまだかつてカーボベルデ人に出会ったことはなく、一体どんな人たちなのかすら想像もつかなかった。

この国の存在を初めて知ったのは、約15年前ほど。セネガルで働いていていた友人が休暇でカーボベルデを訪れ、その雰囲気に魅せられ、是非もう1度訪れたいと話してくれたのが契機だった。

それ以来、訪れたい旅先リストに載せていたが、機会に恵まれず。ブラジルに住んでいた頃、北部セアラ―州のフォルタレーザからカーボベルデまで直行便が運航していたので、一度は旅を検討したことがあったが、コロナ禍ですべてがストップしてしまった。

2025年夏、サンティアゴ巡礼を終えた後、ポルトガルからカーボベルデまでそれほど距離がないことに気付き、約1カ月間、毎日歩き続けた巡礼の旅から解放されて、何もせずのんびりと暮らすように旅する目的地として白羽の矢が立った。

カーボベルデは10の主要な島で構成されており、それぞれの島で気候や文化が異なるのが特徴。

行政・経済の中心となるのは首都プライアがあるサンティアゴ島、活火山のあるフォゴ島、緑豊かな風景が広がるサント・アンタん島など。

今回の旅は、サル(Sal)島に10日間ほど滞在。この島を選んだ理由としては、ポルトガルの首都リスボンから直行便が就航しているカーボベルデの島の中で、一番リーズナブルだったこと。また、ビーチリゾートでのんびりする休暇には最適。

サル島と表記されるが、ポルトガル語の発音では「サウ」と呼んだ方がニュアンスが近いのかもしれない。Sal はポルトガル語では「塩」を意味し、島には文字通り塩田があり、かつては塩作りで島が発展した。

リスボンからはTAPポルトガル航空とTACVカーボベルデ航空がサル島との直行便を運航している。リスボンからのフライトの様子はこちら

アライバルビザで入国

空港のビザ申請窓口

カーボベルデへの入国には査証(ビザ)が必要となるが、事前に専用のサイトから申請が可能という。注意点としては、入国の5日前までに手続きが必要。

何度か入力を試みたが、査証代金の支払い画面になり、クレジットカードの情報を入力しても、決済ができず。

埒が明かず、カーボベルデに到着時に空港で申請するアライバルビザに切り替える。

リスボンの空港のチェックインカウンターではビザについては何も尋ねららず、ビザなしでも飛行機への搭乗には支障はなかった。

カーボベルデのサル島に到着後、日本のパスポートを見るや、自動ゲートに案内される。ビザの申請もしていない上、その料金も支払っていないのに、入国審査を通過できるのか?

事前にオンラインでビザを取得していると利用できる電子ゲート

念の為、職員に事前にオンラインで手続きができなかった旨を説明したが、問題ない!と電子ゲートに進むも、やはり通過できず。結局、入国管理の職員のいる窓口へ並び直す。

書類等への記入は必要なく、窓口でもクレジットカードで支払いができ、5分もしないうちに手続き完了。カーボベルデのビザに関しては、それほど神経質になる必要はなかった。

随所にポルトガル植民地時代の名残

サル島のメインストリートの石畳

大航海時代、世界の主役だったポルトガル。アフリカ、南米、アジアに広がった植民地では、その影響がいまなお色濃く残る。個人的には、石畳がその最たるものと思っているが、カーボベルデもその例外にあらず、サル島のメインストリートには立派な石畳が敷かれている。

メンテナンスや歩きやすさを考慮すれば、決してベストな技法ではないが、それでも石畳は街の情緒を引き立ててくれる。

石畳にデザインされたウミガメ

サル島には、産卵のために海ガメが夜のビーチに現れることから、島のアイコンの1つとして数えられ、石畳にもそのデザインがあしらわれている。

石畳の他にも、言うまでもないがカーボベルデの公用語はポルトガル語。クレオール語も広く話され、こちらのブラジル訛りのポルトガル語は理解してもらえたが、カーボベルデ人のポルトガル語に慣れるまでは少し時間がかかった。

雨が全く降らないサル島

カーボベルデと言っても、島ごとに気候や風土、文化は全く異なるようで、今回の旅で訪れたサル島は、年間を通してほとんど雨の降らない島。そのせいか、島には緑がほとんどなく、空港から島の南部のサンタマリアまでの幹線道路沿いは、乾いた大地が広がり、まるで別の惑星に彷徨ったかのような印象さえ受ける。

そんな滅多に雨の降らないサル島は農耕には不向きで、野菜や果物は別の島から運ばれてくる。そのせいもあり、お値段は輸送費が上乗せされて割高。

10日間ほどのカーボベルデ・サル島での滞在を通して感じたことを、暮らすように旅するシリーズ・カーボベルデ編として記録に残していく。

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