長年思い続けていたカーボベルデへの旅。ついにその時を迎える。ポルトガルの植民地だったということもあり、リスボンからはカーボベルデのいくつかの島まで直行便が運航している。今回は、TAPポルトガル航空に搭乗して、カーボベルデで最も観光客が訪れるサル島までの搭乗記。
スターアライアンスゴールドさまさま

今回のフライトはリスボン午前9時30分発、サル島には午前11時40分着の4時間10分のフライト。使用機材は A321neo
友人から夏のバカンスシーズンのリスボンのウンベルト・デルガード空港の混雑を見くびるべきではない!とアドバイスを受け、出発3時間前に空港に到着。
しかし、空港ターミナル周辺は大渋滞。タクシーの運転手は、入り口手前で降ろしてあげたいが、ご覧の混雑。ここから歩いた方が早いと、ターミナルの入り口の手前 200m ほどのところでタクシーを降車。
空港のターミナルに入るや、もわっとするような熱気に、飛び込んできたのはチェックイン手続きを待つ行列。あまりの人の多さに、失神しそうになる。
こんな行列にまともに並んでいては、チェクイン手続き完了までどれだけの時間がかかるのだろうか。

カボベルデ・サル島まではエコノミークラスに搭乗するが、スターアライアンスゴールドの資格を活用して、優先チェクインカウンターへ。場所が分かりづらかったが、先ほどまでの行列とは打って変わって、数えきれるほどの乗客が手続きを待っているのみ。
改めてスターアライアンスゴールドのステイタスに感謝!ものの10分もしないうちにチェックイン手続き完了。懸念だったカーボベルデのビザについては、チェックインカウンターでは確認されなかった。
事前にオンラインでビザ申請を試みたが、申請料の決済ができず。カーボベルデ到着後にアライバルビザで何とかなりそうだ。

チェックインに続き、保安検査も優先レーンが設けられており、こちらもスターアライアンスゴールドの資格で利用が可能。このおかげで、すべてがスムーズに行き、搭乗までストレスフリーで過ごせる。
浮いた待ち時間でTAPポルトガル航空のラウンジで出発までの時間を過ごす。その様子はこちらから。
まさにスターアライアンスゴールドさまさまの旅である。
ラウンジから搭乗口までの出国審査の行列に要注意
搭乗券には搭乗開始時刻が8時30分からとなっていたので、その少し前にラウンジを後にする。
ふと、保安検査を受けた後、パスポートコントロールがなかったことを思い出す。もしかして、この先にその手続きが待ち受けているのか。

その悪い予感は的中し、目の前に現れたのは、空港に到着した時のデジャヴのような行列。
しかし、ここはチェックイン手続きとは異なり、スターアライアンスゴールドのステータスは何の効力も発揮しない。一瞬、飛行機に乗り遅れることも覚悟させられるほどの列の長さ。
ピンチを迎えたが、落ち着いて掲示板に目を凝らす。すると、EUのパスポート、キャビンクルーに加え、韓国、日本、米国、カナダ、ブラジル、シンガポール、ベネズエラなどのパスポートを保有する搭乗客には、専用のレーンが設けられていた。
世界最強のパスポートの1つとも称される日本のパスポートに感謝。その他の出国審査のレーンは、果てしない長さで、手続きも1人1人、いろいろ尋問されて時間がかかると想像すると、フライトに間に合わない乗客が続出しているのではないだろうかと心配になった。
特定のパスポート向けの専用レーンの出国審査はスムーズに進み、行列から解放される。

シェンゲン協定外の国へのフライトに搭乗する際は、出国審査後のエリアにはTAPポルトガル航空の別のラウンジ、 Premium Lounge Atlântico があるので、搭乗ギリギリまで過ごしたい場合は、出国審査までを終えて、こちらのラウンジを利用するのが賢明だろう。
ともあれ、8時45分に搭乗口に到着したが、まだ搭乗は開始されていない模様。しかし、すでに搭乗の列が形成されている。この日はどこを切り取っても、人混みだらけの空港内。

午前9時前になり、優先搭乗開始。とは言っても飛行機は沖止めされており、バスで移動のため、あまり優先搭乗の意味はなし。混雑は空港内の旅行客だけでなく、飛行機の方にも。これだけの旅客を運ぶのだから、駐機場に空きが無いくらいのフライトが運航されているのだろう。
エモい機体

バスで機体の手前まで移動。目の前に現れたのは、緑と赤をあしらった馴染みのあるTAPポルトガル航空の機体ではなく、70年代、80年代を思わせるノスタルジックな機体。これはエモいとでも形容されるのだろうか。
この機体で大丈夫だろうかという心配が芽生えなかったと言えば嘘になるが、それでもまだまだ現役の機体に敬意を抱く。

機内は通路を挟んで3-3の配席。夏のバカンスシーズン。当然ながら満席。シートモニターはなく、機体の外観から期待できなかったが…。それでも内部はそれほど古びた印象は受けなかった。

チェックイン時に特にリクエストはしなかったが、非常口付近の席が割り当てられ、足下に荷物は置けないが、その分、膝が前の座席に当たる心配もないくらい、ゆったりとしたスペースがあり、快適なフライトになりそう。
出発予定時刻の午前9時30分を過ぎても、まだなお乗客が搭乗中。9時42分に最後の乗客が飛行機に飛び込んでくる。あの長い長い、出国審査の行列の餌食になったのだろうか。何とかフライトに間に合った安堵感が表情からも伺える。
その乗客が着席して間もなく飛行機のドアが閉まる。飛行場の混雑もひどく、離陸の順番待ち。飛行機が動きだしたのは10時15分になってから。
機内食は期待外れのTAPポルトガル航空

座席のシートポケットには有料の機内食メニュー。カーボベルデまでの飛行時間は4時間ほどなので、無料の機内食は提供されないのだろうと思った。
搭乗前にラウンジでしっかりと朝ごはんを食べれたので問題はない。しかし、その予想に反して、離陸からしばらくすると、機内食のサービスが開始される。

提供された機内食は朝食メニューで、オムレツとスナック。オムレツは、冷凍食品のような見た目に、パリパリ感ゼロの茹でた味のなさそうなソーセージ、しなびて炒められたかのような人参。残念な印象の機内食。
ポルトガル料理は、バラエティ、素材の味を活かす調理法で、世界的にもグルメなグループに入るというのが個人的な意見がだが、このポルトガルのナショナルキャリアのTAPポルトガル航空の機内食にいたっては、それが微塵も感じられない残念さ。
この内容なら、オムレツの提供を止めて、スナックだけにしたほうがマシなような気がする。

そんな不満を黙らせるかのように、食後に配布されたチョコレートで少し機嫌を直す。
食事を終えて、ポットキャストに耳を澄ませていると、最終の着陸態勢に入り、予定より30分ほど遅れて、カーボベルデ時刻の午前11時58分にサル島のあミルカール カブラル (Amílcar Cabral) 国際空港に到着。
ANA868マイルを獲得

カーボベルデ・サル島まではリスボンからTACVカーボベルデ航空も就航しており、料金はTAPポルトガル航空と比較すると、若干リーズナブルな印象。
しかし、TAPポルトガル航空はスターアライアンス加盟社。上記のように、チェックインから、保安検査、ラウンジ利用の優待を受けた上、ANAマイルが加算されるともなれば、多少の航空券の割高感には目を瞑ろう。
リスボンからサル島までのフライト、エコノミークラスWで868マイルを獲得。夢のファーストクラスまでの道のりは続く。


