3ケ月滞在 ホームステイ化したAirbnb

Airbnb

コロンビアでの生活を始めるにあたり、住居が決定するまでAirbnbに滞在することに決めていた。任地への到着は深夜だったため、初日はホテル、翌日からAirbnbと考えていたが、勤務先からの隔離指示によって5日間のホテル暮らしの後、Airbnbに移動。

Airbnbの選び方

暮らすように旅すると謳われるようにAirbnbは、家に住んでいる感覚でくつろげるので、旅行だけでなく、新天地における住まい探しの間の滞在先として活用するのも1つの方法だ。

今回は、職場に近くて見晴らしのよいアパート一室を丸ごと借りるのが第一候補に挙がった。戦略としては、1ケ月滞在した後、アパートを気に入ればオーナーと交渉して賃貸契約にまでこぎつけよう考えていた。しかし、残念ながらAirbnb予約そのものに対する返答がなく、実現しなかった。

2番目の選択肢となったのは、アパートの一室を借りるというパターン。コロンビア到着後、数日滞在していたホテルからまさに目と鼻の距離にあり、こちらもアパートからの眺望が素晴しそうだった。しばらくホームオフィスでの仕事のため、この眺めが重要な要素ともなるのだ。勤務先からコロンビア入国後5日間はホテルに留まるよう突然指示されたため、予約の日程を急遽変更することになったが、オーナーは柔軟に対応してくれた。

さらに、海外からコロナワクチン未接種の状態で到着したが、入国後のPCR検査は陰性だった旨を伝えると、すんなりと受け入れOKとなった。

3LDKでトイレ4つ

代々受け継がれてきた家具や調度品が並ぶリビング

滞在したAirbnbはアパートで、建物自体は9階建ての2階からが居住スペースだが、各階1軒のみという構造だった。部屋の間取りは3LDKだが、トイレは使用人専用のものも含めると4つもあり、とにかく広い。外からはそれほど大きなアパートには見えなかったけれど、専有面積は200㎡ほどありそうだ。

アパートの広さも去ることながら配置された調度品が家族代々受け継がれているようなものばかりで、歴史を感じさせてくれた。さらに壁にはこれでもかというくらいの数の絵画が飾られていて、オーナーのセンスが感じられる空間だった。テラスを中心に、室内のあちらこちらに植物も置かれ、緑あふれる空間が広がっている。

予約した個室も、部屋の中央にベッドが置かれても狭さを全く感じさせないくらい十分な広さが確保された空間だった。気になるお値段は、1カ月で約5万円。20%の長期割引も設定されていた。

家主はクラシック音楽を楽しむ淑女

時折知人から花が届けられ、居住空間の彩が華やかに

アパートや家の一室を借りる場合のAirbnbは、家主との相性も大切な要素になってくる。最初はぎこちなかった家主との距離も時間の経過とともに冗談を言い合えるくらいにまで解きほぐれていった。

この広いアパートに1人暮らしの家主。立ち振る舞いに品格を感じられるとても素敵な方だ。日曜日の朝は、リビングからクラシック音楽が流れてくる。おはようと挨拶を交わしてリビングからキッチン向かうと、ショパンやシューベルトを聞きながら、新聞に目を通す家主。パジャマ姿なのにとってもエレガント。普段、クラシックを聴くことはほとんどないが、家主のおかげで滞在中は色々な音楽に耳を傾けることができた。

センスの良さが自らの展開する事業の成功にも繋がっているのだろう。羨望の眼差しで見てしまいそうだが、家主も人間。時折、「忘れ物をしたから門番に荷物を預けてほしい」、「家の鍵を忘れて出てしまったけど家にいる?」などお茶目なメッセージが携帯に届くこともあった。

1ケ月の滞在予定が3ケ月の長期滞在に

月曜日はシーツなどをまとめ洗いするため、リビングの家具が物干し場化していた

これまでの経験上、海外で住まいを探すのに要する時間は1ケ月もあれば十分だ。今回も、例外なくその見通しを立て、Airbnbには1ケ月だけ滞在するはずだった。しかし、コロンビアに来てから、全国的なデモが暴徒化し、混乱が続いた。そのような状況ではアパート探しもままならず、Airbnb滞在が3週間ほど過ぎても、一行にアパート探しが進まなかった。

そのような状況を家主も察してくれ、滞在延長をお願いすると、2つ返事で了解してくれた。その後、別の旅行者からの予約の問い合わせが入っていたが、そちらを断って2ケ月目の滞在を確保してくれた。

デモも収まりを見せた6月後半からは、アパート探しに本腰を入れたがなかなか気に入る物件が見つからず、Airbnb滞在が3ケ月目に突入することになったが、その頃にはもう、家主はいつまでいても構わないというような雰囲気になっていた。週末、家主が旅行で家を空けるときは、あなたが家の主だから、お留守番よろしく!と笑顔で旅立っていくことも時折あった。

長期滞在になってくると、たまに遊びにくる家主のお孫さんとの交流の機会もしばしあり、日曜の朝のルーティンであるクラシック音楽が流れる傍らで、お孫さんとおままごとをして過ごすというようなこ週末も。

さらに、お手伝いさんとも仲良くなり、時折夕食を共に。基本的に食べるものは別々のものだったが、あれもこれもと色々とおかずを分けてくれた。お返しといってはなんだが、こちらからも食べ物を差し出したが、こちらは一切受け付けてはくれなかった。特に、サーモンを刺身で食べているときは、大丈夫?と心配そうに眺められていた。

これまで世界中でAirbnbを利用してきたが、3ケ月の滞在は最長記録となった。短期留学のホームステイのような格好になったが、家のルールを尊重して過ごせば、快適に過ごせるものだ。今回は、ホームオフィスに適した広い空間と素晴らしい眺望、家主の人柄が長期滞在を可能にしてくれた面もあり、感謝の気持ちで一杯。また、Airbnbが長期滞在にも活用できるプラットフォームであることが実証された。

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