スウェーデンに元同様を訪れる旅。事前に、同僚からストックホルムで訪れたい場所、やってみたいことを尋ねられ、その1つとして挙げたのが、北欧本場のサウナを体験すること。この要望に応えるべく、湖畔のサウナ・Hellasgården Bastuのサウナを事前に予約してくれた。また、別の日には、ホテルのサウナ施設を利用。
それぞれの体験を通して、スウェーデンのサウナ文化を紹介する話。
湖へダイブでととのう

仕事終わりの元同僚と合流して、スウェーデン市内中心部から南東部に位置するHellasgården Bastuへバスで向う。森の中を進んで行くバスに、本場北欧でのサウナ体験に気持ちが高ぶる。
受付で、事前予約の旨を伝えたが、日付を間違っていたというオチ。しかし、この日は利用客が少なかったため、そのまま入場させてもらえた。
気になる本場のサウナ料金だが、料金体系は平日の日中、午後2時以降、週末などに分かれており、この日は平日の午後2時以降、90分間の利用料金130スウェーデンコロナ(=約2,000円)が適用された。予約は、英語表記もあり、オンラインで簡単に済ませられる。
サウナは男女で分かれており、基本的なルールとしては全裸でサウナに入る。その後、ととのうために、水着を着用して、サウナ施設の前の湖へダイブ!土などの汚れを落としてから再びサウナへというもの。
湖にダイブする際に全裸になるものと思っていたが、こちらは男女でスペースが分かれているわけではないので、水着の着用が必須ということ。従って、このサウナを訪れる際には、水着を持参する必要がある。
午後7時を回っているが、外はまだまだ明るく、絶好のサウナ日和。
早速、施設内のサウナへ。時間帯ごとに男女それぞれ10名ずつ利用できるようになっているようだが、この時間帯には、男性サウナは他に2人の利用者のみ。
サウナ内の温度はかなり高く、2,3分もすれば汗が噴き出てきた。今日の仕事のミーティングがうまく行かなかったと愚痴をこぼす元同僚は、それでもこうしてサウナに来てリラックスできたので、1日の終わりとしては最高だと、よい気分転換になっているようだ。
10分もサウナに滞在できないくらいの熱さだったので、脱出して水着を着用。サウナ施設前の湖に向かう。

サウナで温まった体をととのわせるというよりか、一気に冷却するように湖へダイブするのだが、いつもその映像などを見るたびに心臓発作が起きないか危惧していた。そんな心配をよそに、元同僚が勢いよく湖へ飛び込む。数秒もしないうちに、湖面に彼の姿が再び現れたので、多分、大丈夫だろうと、後に続く。
ザブーン
大きな入水音が耳の回りで鳴ったかと思えば、頭からつま先まで湖の水で一気に体が冷却される。息継ぎのために、水面に顔を浮かび上がらせる瞬間には、体は十分に冷やされ、寒さを感じるくらい。浮力で体をリラックスさせるべく、少し泳いでから上がる。水深はかなり深く、足は水底に届かない。
この一連の流れを合計3セット。湖が夕日に照らされる頃には、体もすっかりととのい、スウェーデン人の元同僚もいいサウナ時間だったと満足気。彼によると、冬のサウナはさらに格別のようで、サウナ後に湖に入水すると文字通り体が縮こまるような感覚を味わえるという。
サウナの後は森林浴

サウナを後にし、そのまま再びバスで市街地に戻るのかと思いきや、元同僚が「森林浴をしよう」と提案。
元同僚のお姉さんが日本で暮らした経験があり、その際に「森林浴」という言葉を知り、その概念が気に入ったよう。元々、家族でハイキングや散歩は好きだったが、森林浴という言葉に出会ってから、自然の中を歩くことで得られる効果を改めて実感したという。
Hellasgården Bastu 周辺の森から近くの町までは2キロほど、30分ほどの道のり。サウナでととのった体に、さらにマイナスイオンを取り込んで体の内側から浄化させてあげる。
近くに住むという元同僚の妹のご自宅を訪れてから、ストックホルム市内へと戻る。
ビジター利用のホテルサウナ体験

別のある日、ストックホルム市内の街歩きをしようと外に出たものの、どんよりの曇空。ミッドサマーを祝ったスウェーデンだが、日が照っていないと夏とは言え肌寒い。こんな空模様の中、街を歩く気分にはなれず。カフェで読書にふけるか、美術館巡りをするか、アイデアを頭の中で巡らせる。
導かれた結論は、そもそも寒いなら体を温めよう!ということで、サウナへ。
元同僚が連れて行ってくれたサウナまで、バスに乗って1人で行く気にはなれず、グーグルリサーチをすると、市内のホテルでビジター利用できる場所を発見。
ストックホルム・セントラル駅から近い Clarion Hotel Sigh ホテルの宿泊は1泊2万円~ということで、最高級のラグジュアリークラスではなさそうなので、ビジターとしてのサウナ利用もそれほど高額ではないはず。
ホテル内にSelma City Spa が営業しており、ホテルとの運営が独立しているのかは確かではなかったが、ビジター利用、平日料金で395SEK(=約6,200円)
もちろん上述の湖畔のサウナ料金と比較すると3倍と高額だが、物価の高い北欧において、ホテル内のSpa施設のサウナ・プールを利用できる価格と捉えれば、決して割高ではないような印象。
午前10時前にSpaに付いたせいか、ホテルの利用客もおらず、貸し切り状態。
サウナは男女混合の1ケ所のドライサウナのみ。更衣室にシャワー、ルーフトップのプール。

いつものようにサウナで体を温め始める。日本ではサウナブームになって久しいが、北欧では生活に根付いている印象。
サウナでととのった後、プールへ。すでにサウナ後に湖ダイブを経験済みだったが、この日気温は、プールを存分に楽しめるものではなく、体を冷やしたらそく撤収。
やせ我慢か、基礎体温が違うのか、宿泊客の家族連れは、この天候の下、プール遊びを存分に楽しんでいる。

ホテル内のSpaのサウナだけあって、休憩スペースなどが充実しており、別途料金を支払えばマッサージなどの施術を受けることも可能。
水分補給をして、リクライニングチェアで横になりながらととのう。生憎の空模様がもたらしたホテル内のサウナ利用だが、充実したリラックス時間。
いつものようにサウナ、プールを3セット繰り返す。最後の方は、宿泊客だろうか、徐々に利用客も増えてきたので、去り時。

Spaのレセプションの横にはドリンクバーがあり、コーヒー、お茶を頂くことができる。なぜかリンゴも無料という。
最後に体を内側から温めるため、紅茶を頂く。

ルーフトッププールが設置されている場所だけあって、見晴らしは最高。さらに、セントラル駅すぐそばということもあり、列車が行き交う様子が眼下に繰り広げられる。
サウナ・プールの利用は3時間ということだが、平日の閑散帯のせいか、特に厳格に時間をチェックしているわけではなさそう。
レセプションそばの休憩エリアで最後のリラックス。
このスウェーデン旅の期間中、湖畔のサウナとホテル内のサウナを体験し、本場北欧のサウナ文化を文字通り肌で感じることができた。見所満載のストックホルムでは、あちこち観光して旅の日程もタイトになりがちだが、少し時間を取って、サウナでリラックスした時間を持つと、旅をより素敵なものにしてくれる。