為替相場での円安、世界的なインフレ、もはや気軽に海外旅行を楽しめる時代ではなくなってきている昨今。そんな中、2025年マレーシアへの旅を通じて、現地の物価を探る。旅人目線からマレーシアでの食事や公共交通機関、ホテルなどの値段を紹介する話。
スターバックスインデックス

2025年のマレーシアの最低賃金は1,700リンギット(約60,000円) この水準からみると、まだまだ日本の賃金に軍配が上がる。マレーシアは割安な旅先なのか。早速、様々な値段をチェック。
まずは、ビックマック指数の代わりにスターバックスインデックス。クアラルンプールでアメリカンコーヒー、トールサイズは8.5リンギット(約290円)デカフェインを注文したが、日本のように別料金は請求されず。
現地の給与水準からすれば、割高なコーヒーの値段だが、日本のスタバで同じ商品は475円(2025年8月現在)となっており、まだまだ割安な印象。

さらにマレーシアのスタバでは午前6時から12時まで朝食セットとしてコーヒーとドーナッツが9リンギット(約317円)とお得なメニューを提供している。モーニングセットは10時くらいまでの時間帯が多いが、12時までというのも嬉しいポイント。
観光客の足、モノレールは少々割高

クアラルンプールは蒸し暑いので、街歩きにはあまり適さない場所。観光客として移動する際には、中心部を走るモノレールが便利。一律料金ではなく、移動する駅の距離によって料金が増していく体系。
クアラルンプールの繁華街・ブキビンタン地区までの移動にモノレールで4駅移動した際、運賃は3リンギット(=約105円) 日本でもモノレールは割高なので、マレーシアの料金はまだまだ日本の水準からすると割安だが、現地の物価からすると少々割高感は拭えない。
モノレールに加え、クアラルンプール観光で欠かせない交通機関は配車アプリ。マレーシアではGrabが最も普及している印象で、料金もUberと比較すると少し割安。クアラルンプール国際空港から市内中心部のホテルまで利用した際、1時間ほどの乗車で料金は77.28リンギット(=約2,725円)
長距離は日本のタクシーと比較すると随分と割安。
一方、需要が高まる時間帯の近距離の移動は、割高になることもあるので注意が必要。滞在中、金曜日の礼拝の時間帯の前後は、配車アプリが捕まりにくい上、料金も割高となることが多かった。
観光地のグルメ

旅の醍醐味でもあるグルメ。多民族国家のマレーシアでは実に様々な料理が楽しめる。とはいえ、食堂のようなレストランでも200 ~ 300円前後で手軽に楽しめるというよりは500 ~ 700円くらいが相場。
ほとんどの観光客が足を運ぶと言っても過言ではないジャランアロー通り。レストランと屋台がひしめき合うグルメストリートは、観光客相手の商売だけあってお値段も強気。

無性にシーフードが食べたくなったので、屋台をチェック。タコの串焼きは15 ~ 20リンギット。日本円にすると約530円 ~ 700円
屋台なのに結構なお値段。観光地のど真ん中ということを考慮すれば、まだまだ世界の主要都市の観光地と比較すれと割安かもしれないが、串焼き1本が500円以上とは、円安&東南アジアの経済の発展を痛感させられる。
東南アジアではマンゴーやドリアンなど南国のフルーツも楽しめるが、クアラルンプールでの楽しみの1つがザクロジュース。生絞りジュースは200mlほどで20リンギット(約700円)無添加のジュースとはいえ、結構なお値段。
しかし、この新鮮なジュースを飲める機会はそれほど多くはないので、1本ご褒美に頂く。
星付きホテルはまだまだ格安

日本円の購買力が弱体化する一方で、堅調な経済成長を続ける東南アジア。マレーシアも日本人が割安に楽しめる観光地ではなくなりつつある中、スタバのコーヒーの他、まだまだ割安感が残るのがホテル。
マリオット系列の5つ星ホテルのセントレジスは、シーズンにもよるが、1泊約5万円弱。同じマリオット系列でも1泊250リンギット前後、1万円を切る値段でで泊まれるホテルもあり、長期滞在や豪華なホテルでのホケーションを楽しむのに、マレーシアは最適な場所の1つかもしれない。
まだ安いがもはや激安ではない
今回のマレーシア滞在で、旅人目線から現地の物価を見た印象では、マレーシアは「まだ安いがもはや激安ではない」というのが率直な感想。
旅行の出費で大半を占める宿泊費に関しては、上述のように、クアラルンプールは大手ホテルチェーンの客室でも1万円以下で宿泊できるホテルもあり、宿泊費のリーズナブルさは、旅全体の費用を安く抑えるのに奏功してくれる。
一方、食事やサービスに関しては、値段を気にせずに思う存分楽しめるというレベルではもはやなく、日本との価格差は徐々に縮まりつつあるというのが、今回のマレーシアの物価を考察した結果。
先行きは誰にも見通せないが、現況からすると、マレーシアの物価も上昇傾向にあり、割安感が残るうちに是非一度は足を運んでみてもらいたい。