ベネズエラの観光地で最も有名なスポットは、日本人にとってはエンジェルフォールかもしれない。しかし、ベネズエラで勤務する同僚の間では、Los Roquesと意見が二分される。文字通り、山か海かの違いだが、ベネズエラへの赴任が決まった瞬間から、必ずエンジェルフォールを訪れると決意していた。今回は、ベネズエラ旅行のハイライトとなるエンジェルフォールのあるカナイマ国立公園までの旅のプランニングの話。
オールインクルーシブのツアー
エンジェルフォールは、ボリーバル州にあるユネスコの世界遺産・カナイマ国立公園にあり、個人で航空券だけ手配して現地に向かうのは至難の業。多くの宿泊先のロッジが首都カラカス~カナイマまでの航空券・宿泊・食事・ツアーなどすべて含めたオールインクルーシブのパッケージを提供しており、それを利用するのが手っ取り早い。
カラカス~カナイマまでのフライトは毎日運航されているわけではないので、まずは何曜日に出発するかがプランニングの第一歩。
プランは2つで、カラカス・木曜日発の3泊4日か、日曜日発の4泊5日のプラン。後者の方が、滞在日数が1日長いので料金も当然高いが、個人的には宿泊先のロッジでのんびりする日を設けるために、日曜発のツアーがお勧め。
安上がりでは済まないエンジェルフォール
エンジェルフォールを含むカナイマ国立公園の観光は、ベネズエラにとってはドル箱。ベネズエラ人の同僚や友人たちによると、以前はもっとお手軽に旅行できたが、ツアー価格をドル建てとしたことで料金が高騰。それでも、客足は途切れない。
シーズンや客室、旅行人数のタイプによって料金は変動するが、最低でも1人20万円~といったところ。
後述するCampamento Canaimaの場合、一番安い部屋で木曜発の3泊4日で935米ドル/人、日曜発の4泊5日は1,010米ドル/人。2025年の8月から12月はさらに値上がりし、3泊4日は995U米ドル。宿泊代だけで1人15万円近い。食事も込みとはいえ、1日あたり5万円ほど。円安のパンチも圧し掛かる。
前述のオールインクルーシブプランには少しからくりがあり、肝心要のエンジェルフォールツアーはオプショナルとなっており、日帰りとエンジェルフォールツアーの目の前で1泊するプランがあり、お値段は日帰りが295米ドル(約43,000円)、1泊プランは350ドル(約5万円)と、なかなかな強気な価格設定。それでも、カナイマまで来ているのだから多少高くてもほとんどのツアー客は参加する。
さらに、ヘリコプターやセスナ機での空中旋回ツアーは、500ドル (72,500円)。カナイマまで来るくらいだから、きっと富裕層で皆、ヘリでのツアーを楽しむのかと思ったら、滞在期間中に、同じ宿泊先からヘリツアーに参加した旅行者はいなかった。
これだけでもお財布には優しくない、エンジェルフォールツアーだが、さらに1人へロッジの部屋を利用する場合は、料金が3割増しになってしまう。最終的には同僚と一緒に行くことになったが、直前まで同行するかどうか判明せず、別々の場所に宿泊することになってしまい、2人とも高くついてしまったというオチ。オプショナルも付けて合計1,648ドル支払い (約24万円)。
事前の案内では、オプショナルツアーは到着前に必ず申し込むように説明されるが、イースターなどピークシーズンでなければ、空きがあることが多く、現地に到着してから参加するこも可能。
いつ訪れるべきか?
エンジェルフォールは年中、滝の水が流れているわけではなく、あくまで雨季前後に標高約1,000メールの高さからの水の落下が見られる。月でいうと5月くらいから10月くらいまでがベストとされる。
2025年の5月のメーデーを利用してエンジェルフォールを訪れる計画を立てたが、それに先立つイースター休暇で現地を訪れた同僚からは、直前にまとまった雨が降ったおかげで、4月でも滝から水が落下するのが十分に鑑賞できたという。現地の人は、気候変動の影響も顕著になっており、この時期はますます読めなくなってきているという。確実性を高めるなら、8月前後という。
人気の宿泊先はWAKU LodgeとCampamento Canaima

カナイマ国立公園内の宿泊先のおすすめは事実上2つといっても過言ではない。1つ目はWAKU Lodge ロッジと命名されるだけあり、森のの中に溶け込むような、宿泊施設。敷地内には動物の姿もあり、客室もWi-Fiアクセスが確保されている。Meriendaと呼ばれる軽食も充実。

もう1つはCampamento Canaima こちらはブティックホテルのような雰囲気。Wi-Fiアクセスはロビーのみで、客室までは電波が届かない状態(2025年5月現在)旅先でもメールチェックや動画を楽しみたい場合は不向きだが、デジタルデトックスには最適の環境。
この2つの宿泊先以外にもいくつかのロッジなどが点在するが、同僚の間ではこの2択からそれぞれの好みに応じて選択している。
1人料金が加算されるので、少し割安なWAKU Lodgeに宿泊したかったが、あいにく希望日は満室。代替案としてCampamento Canaimaに。
ツアー代金支払い後は、流れに身を任せるだけ
ワッツアップで、宿泊先と何度かやりとり。エンジェルフォールを含むオプショナルツアーの有無、部屋のタイプなど。料金が確定したら、URLが送信され、クレジットカード決済。日本で発行したマスターカードで支払い可能だった。
支払いを済ませると、後は出発日を迎えるのみ。その間、文字通り宿泊先から何の音沙汰もなかったので、代金がきちんと支払われ、予約されているか不安に駆られるが、問題なし。
後は、出発当日にパスポートを手に、カラカスの空港に向かうだけ。本当に手続きがされているのかの不安が残ったが、チケットは手配されており、旅がスタートする。
次回以降、エンジェルフォールを含むカナイマ国立公園の旅を紹介。