カナイマ国立公園 エンジェルフォール訪問前にテンション爆上げ

ベネズエラ

エンジェルフォールを訪れるためのカナイマ国立公園までの旅は、事前に宿泊施設にツアー料金を支払ったら後は、出発当日を迎えるのみ。首都カラカスとカナイマまでのフライトからホテルまでのチェックイン、初日のアクティビティを紹介する話。

早朝フライトでカナイマへ

カラカスの空港のチェックインカウンター

今回の旅のメインは言うまでもなくエンジェルフォールを見に行くことなので、後の時間はのんびり過ごせばよいと思っていたが、料金を全て支払った後、ホテルが手配したカラカスからカナイマまでの便は、午前7時30分出発。国内線なので2時間前にチェックインするとしても、朝4時30分起床、5時に家を出発。長年思い続けた場所への訪問で、どんなに気分が高揚する旅だとしても早起きは辛い。

同じ日程で別のホテルに滞在する同僚は午後の便を割り当てられたということで、羨ましさが芽生える。唯一の利点はいつもなら所々混雑が見られる道のりも、早朝ということだけあって、交通量は少なく、自宅から20分ほどで空港に到着。

飛行機は予定より少し早く、7時28分に離陸。機内は震えるほどクーラーが効いている。こんなことも予想して、ブランケットを持ってきておいて正解だった。1時間ほどのフライト時間は、起床が早かったせいもあり、ほとんど寝て過ごす。

Conviasa航空でカナイマ空港に到着
空港内の建物までの導線

飛行機から降りるや、三角コーンで仕切られた導線に従って、空港内の建物へ向かう。免税店や娯楽施設とは無縁の空港の建物。こんな素朴な空港は、イースター島を訪れたとき以来かもしれない。カラカスとカナイマを結ぶ便は週2日のみの運行(2025年5月現在)なので、過度な施設は不要。

国立公園の入園料を支払うための列

空港内の建物に到着したら、カナイマ国立公園の入園料、大人40米ドル(約6,000円)を支払う。支払い方法は現金のみ。観光客が支払うこの代金は、ガイドによると、地元の自治体の貴重な歳入となり、医療費などを賄うのに配分されるという。

宿泊施設からの送迎バス

空港の施設から想像できるように、荷物を受け取るターンテーブルもなく、引換券の半券を宿泊するホテルからの送迎係の職員に手渡したら、送迎車に乗り込むのみ。荷物は後で、宿泊施設に届けてくれるという。

ロッジやホテルなど各宿泊施設からの送迎車が空港に整列して待機してくれている。

Campamento Canaimaのロビーに広がる絶景

空港からの送迎といっても宿泊施設までは車で2-3分の距離。文字通りあっと言う間に到着。今回宿泊するCampamento Canaima の開放的なロビーからは見事な絶景が広がる。宿に到着するや、宿泊客は揃ってこの絶景に見とれ、写真撮影タイムがスタート。

写真撮影もそこそこにしてチェックイン。スタンダードルームで予約をしたが、イースター休暇後のこの時期は、客室に空きがあるということで、デラックスルームに無料でアップグレードしてくれた。バルコニーのように仕切られてはいないが、部屋からも、ロービーからみた景色を堪能できる。宿泊施設のアップグレードの配慮に感謝。おまけに、朝食まで提供してくれるというので早速レストランへ。

アレパ、チーズ、豆、卵のプレート

ビュッフェスペースからフルーツを頂いていると、注文を取りに来てくれて、いくつかのオプションから、余り重たくない食事ということで、トウモロコシの粉からできたアレパ、豆、チーズ、オムレツを注文。コーヒーと一緒に頂く。レストランからも、先ほどのロビーからの絶景が楽しめ、食事のムードを高めてくれる。滝の轟音と、水しぶきが届くのではないかと思うくらいの迫力の中で頂く食事、なんと贅沢な空間だろう。感動に浸りたいところだが、なにせ朝4時30分起き。ご飯を食べたら部屋で休もう。食事の後、すぐに部屋の準備ができているということで、早速、ベッドで休む。

デラックスルーム

午後2時からクルーズと称して、宿泊施設からボートを出してくれ、いくつかの滝を巡る無料のツアーがあり、その前に昼食も提供されるという。ひとまず、それまでは部屋でゆっくりと過ごそう。

優雅なランチタイムを過ぎると暗雲が…。

絶景を前に昼食

部屋で少し休んだらランチへ。初日から食っちゃ寝生活が始まる。期待していなかった朝食に、昼食への期待値も高まる。運ばれて来たのはバナナを潰して調理したパタコンに具材を載せたもの。一瞬、これだけと思ったけど、どうやらこれは前菜のようで、ここからサラダ、メインの肉料理、副菜と続く。

フルコースランチ

さすがに食べ過ぎた感が否めない。再び部屋でクルーズの時間まで休む。指定された時間の少し前に集合場所となる宿泊施設内のビーチに向かうが、空は厚い雲に覆われ、続々と宿泊客が集まる中、ついには雨粒まで落ちる悪天候に。クルーズが中止になるかと思ったが、この地域の天候は変わりやすいということで、しばらく様子を見ることに。

晴れ間が戻ったカナイマ国立公園

すると、先ほどまでの空模様が嘘のように、皆の願いが通じたのか、青空が広がり始め、宿泊客の興奮も高まる。いざクルーズへ出発。

滝の中をウォーキング、リラックスの末に置いてきぼり

ボートで滝を巡る

けたましいエンジンの音が響いたら、一斉にボートに乗り込みいざ出発。先程までの雨が嘘のように、照り付ける日差しが痛いくらい。ボートの速度が上がるにつれ、滝の轟音も徐々に大きくなる。ユニークなフォルムの山には魅了されるが、滝そのものは、もはやイグアスの滝を知ってしまった今、それほど感動するものではないと高を括っていたが、このクルーズツアーの醍醐味はこれから。

ボートで滝まで接近

岸に上陸したら、少し丘の上を歩いて進み、滝に近づいていく。このウォーキングコース、一部は流れ落ちる滝の水の背後、いや滝の中といっても差し支えはないだろう。崖と滝の間の空間を移動していく。

ロープ伝いに滝の中を進む

1つ目の滝は、キャーキャーと皆が声を上げながらも、ロープ伝いに進んで行き、全身びしょ濡れになりながら自然との触れ合いを楽しむ。一部の人は水の中に入り、滝壺まで泳いで近づいて、文字通り滝修行をし始める。頃合を見計らってガイドが切り上げるように促し、次の滝へ。

2番目に訪れた滝は、水量が明らかに最初の滝とはレベルが異なり、そのせいか足下も苔が生い茂り滑りやすい。靴下を履くのが滑り止めにも有効のようだが、あいにく忘れてしまった。さらにビーチサンダルで来てしまったので、ここは素足に切り替えて慎重に進む。

大きな声で叫ばないと声が聞えないくらいの水の落下音。ひとまず先へ先へと行くと、滝の水が落ち始める地点まで登ってくることができ、そこで一旦休憩。滝の裏側とは異なり、若干の静けさも漂う。緑溢れる山に水と大自然を満喫しながらリラックス。ここまで来ることができ、ベネズエラ赴任のアドバンテージを実感。そんな余韻に浸っていると、周りには別のボートで来た他のグループの観光客が同じように水辺でくつろいでいるが、同じグループの人が1人もいない。若干不安になり、リラックス時間を切り上げて、来た道を慌てて引き返す。とはいえ、滑らないように慎重に。

水のカーテンから垣間見える景色を見渡すと、なんと乗船してきたボートが他の乗客を乗せて滝付近の停泊地から出発しているではないか。滝の上には他のグループもいたので、そのボートに乗せてもらうことも頭をよぎったが、水の合間から大きく手を振る。気付いている気配はないが、ひとまず急ぎ足でボートの停泊地まで戻る。

すると幸運なことに、誰かが気付いてくれたようで、ボートが引き返してくる。助かった。ボートが戻ってくるや、ガイドにグループの中でアジア人は1人しかいないのだから忘れて置いてきぼりにするなんてありえない!とクレームを立てたが、気の弱そうな方だったので、あまり責め立てても仕方なく、そのままボートで次の滝へ。

水量が異次元の滝

3番目の滝は、これまでの滝が小学生だとしたら、大学生のレベル。水量と水しぶきの量が異次元。同じように滝の裏側を進むが、ガイドが水量が増して危険なので、小さい子供の同行は控えるようにアドバイス。一同、皆で手を取り合い、人間の鎖を作って進んで行く。1人でもバランスを崩して水に流されると一大事。開けた空間にたどり着くので精一杯だった上、安全を考慮して、写真の撮影は控える。

滝の開けた空間に出てくると、みんなで安堵。そこでなんと、スペイン人おじいさんと言っても過言ではない方が、パートナーのドイツ人にプロポーズのため跪く。周りのみんなも一瞬何が起きているのか理解できず、しばらくしてから滝の轟音に負けないくらいの拍手が響き渡る。末永くお幸せに。

滝から引き返す際、なんとか鬼門となるポイントを越えて油断したせいか、足下が滑り漫画のように、下の岩に倒れ込んでしまう。一瞬、骨折したのではないかと心配したが、鈍い音はしなかったが、あまりの動きにきっと血だらけになっているのではないかとも危惧したが、幸い痛みはなく状態を起こすことができ、確認してみると擦り傷で済んでいた。

ここで怪我をしてしまうとせっかくのエンジェルフォールが遠のいてしまう。

置き去りといい、転倒といい、先行きが少し怪しいが、何とか初日の滝巡りのアクティビティが終了。

コンサートの音色が響く夜

地元の交響楽団による演奏

午後の滝巡りツアーが終わると、夕食までの間に地元のコミュニティの交響楽団による演奏会。ビバルディなどのクラシックから、先住民の言葉での合奏まで素敵な音色が響き渡る。ゲストへの歓迎の意味も込められた演奏会ということで、チップを請求することはなく、音楽でゲストを迎え入れたいという純粋な心意気に胸を打たれる。

夕食は少々重たい食事

演奏会が終わると夕食。サラダ、バジルソースパスタ、フレンチフライ、牛肉のクリームソース和えにデザートはチョコレートムース。パスタは茹でかたが足りず少々固い食感に少々ソースが脂っこい。地元の食事には全く見えないがよしとしよう。牛肉は柔らかく、ソースとの相性もよくおいしく召し上がることができた。

初日から充実したアクティビティと宿泊施設での食事。明日はいよいよエンジェルフォールに向けて出発。またしても朝4時起き。

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