ある日、友人から「コロンビア料理ってどんなの?写真送って」というメッセージが届いた。赴任してから4ケ月目に突入したが、自炊の際にコロンビア料理を作れるほどにはなっていないのが実情。スーパーではトウモロコシをつぶして円状に形を整えたアレパなどコロンビアならではの製品も並んでいるが、他の国では馴染みが薄いだろう。
ブラジルのシュハスコ、ペルーのセビチェのようなコロンビア料理の代表格というのがまだまだ認知されていないのが現実なのかもしれない。
どうすれば、コロンビア料理をうまく伝えることができるか考えた末、ランチメニューは日替わり定食のみというような食堂に行けば、一般的なコロンビア料理を友人と共有できるという結論に至り、何軒かの食堂を回ってみた。
和食の一汁三菜にも通ずるコロンビア料理
コロンビアの食堂における定食の構成はスターターとしてのスープ、メインプレート、ジュースが基本。たまに、軽いデザートが付いてくる場合もある。
実際に食堂の日替わり定食を紹介していこう。

豆がゴロゴロと入ったスープ。スープストックトーキョーならこれとパンだけでメニューとして出されそうなボリューム。味付けは、スープというより、シチューに近いくらいこってりとしている。

メインプレートは牛肉のしぐれ煮のようなものをメインに、ご飯とビーツを使ったサラダ。そしてバナナを揚げたパタコン。味付けは濃くなく、日本人にも食べやすい。ただ色味としてはもうちょっと緑が欲しいような気がする。
2軒目

コロンビアではメジャーな料理であるアヒアコが登場した日替わりランチ。アヒアコはジャガイモと鶏肉がベースのスープ。これは前菜としてのスープというより、クリームシチューやポタージュのようにコクのあるしっかりとした味わいなので、もはやメインに近い。まだまだ世界的にはマイナーかもしれないが、このアヒアコはコロンビア料理の代表格と言っても過言ではない。
アヒアコの場合、メインがどちらになるのか不明だが、セットとして付いてくるプレートにはサラダ、アボカド、ご飯、パタコンにさらに揚げバナナ。
3軒目

こちらはスープは前菜らしくあっさりとした風味。昼間は暑いせいか、スープも熱々で提供されるわけではなく、人肌程度の温度感。メインのプレートは、サラダと焼き飯(この中には鶏肉が入っていた)、イモの揚物。
見た目はちょっと寂しい感じがするが、この焼き飯に野菜も入っているため、満腹感は十分に得られた。写真を取り損ねたが、この食堂ではチョコレートクッキー1枚がデザートとして出され、別料金でコーヒーを勧められた。
4軒目

場所は変えたし、違うエリアだったのに、1軒目のデジャブが起きたかと思うくらいのメニュー。同じようにスープには豆がゴロゴロのこってり味。
メインプレートにはこちらは豚肉。白米にビーツのサラダ、そして定番のパタコン。
料理の盛り付けや色合いという面では、コロンビア料理はちょっと物足りないかもしれない。しかし、スープに始まり、メインプレートにはご飯以外に、サラダ、肉類、パタコンと3つのおかずが並び、一汁三菜の献立と和食にも通ずる。
日本人にも親しみやすい?お米はレギュラーメニュー
今回の食堂のランチ調査で判明したことは、必ずと言っていいほど提供されるのは、意外にもご飯。米が出てくるあたりは、日本人にも親近感が抱いてもらえそうなコロンビア料理。
っそく友人に写真を送ると、「コロンビアってもっと原始的なものを食べていると思っていた。味の想像はできないけど、食べられなくはなさそう」という感想だった。原始的って…一体何を想像していたのだろうか。
コロンビア料理の認知度は日本のみならず世界的にもそれほど高くないかもしれない。しかし、味付けは日本人の口にも合うものが多いような印象を受ける。コーヒー、チョコレートに続き、コロンビア料理も世界的にメジャーになる日が来るかもしれない。