今月のチョコレート(2021年8月)

チョコレート

Chocolate Oscuro con NIBS de Cacao

引っ越しの際、溶けないように注意して新しいアパートに運んできたが、残念ながら一部割れていた。

袋から親指と人差し指で板チョコの中身を取り出してみる。明らかに親指側にざらつきの違和感を覚える。商品名が刻印された表面の立派な姿よりも、ひっくり返した反対側に興味がそそられる。

ナッツのようなものがちりばめられているが、パッケージをもう一度みるとCacao Nibs配合となっている。Nibsという単語は初めて聞いた。辞書で調べてみるも、該当なし。

ググってみると、nibsは実のようで、カカオの実をつぶしたものがちりばめられているようだ。ナッツやアーモンドを混ぜるのはよくあるが、カカオの実を入れ込むとは、チョコ×チョコといった感じか。

見た目に気を取られていたが、肝心のお味は。72%の表示から、苦味を覚悟して口に含んだが、それほどでもない。このNibsが苦味を中和させてくれているのだろうか。砕かれた実のため、アーモンドのような歯ごたえもなく、チョコレートを噛んだ時に、違う食感が共存するというわけではない。

若干ざらざらとしたものが口の中でしばらく動き回るが、最後にはカカオの香りが訪れる。

パッケージに挟まれたしおりには、教育を通して豊かな土地と遺産を次世代引き継げるという主旨のメッセージ

カカオハンター 70% TUMACO (5,300ペソ=約150円)

チョコレートに窪みはなく、自分でおおよその大きさを決めて割るかかぶりつくことになる。パッケージはシンプルだが、余計な装飾はしなくても味で勝負していますというような気迫すら漂っている。

一口目は70%という苦味に支配される。カカオの割合が高かったとも思いたくなるが、2口目には違う味わいが待っていた。苦さを覚悟して口にした2口目は、口の中で苦味に対する抗体ができていたせいか、カカオの味そのものを感じることができた。その上、若干の酸味に唾液が誘導された。

手が止まらなくなる甘いチョコレートとは違って、渋いチョコレートにはこの大きさでも十分だ。

カカオハンター 82% TUMACO (5,300ペソ=約150円)

口に含み 一口二口と噛んでみても、もはや味わいが広がらない。カカオの割合が高いせいか。無味の境地に達してしまったのかと心配になるが、その後、3口、4口とかみしめていくと、突然じわっと酸味が広がり、それに反応するように唾液が分泌される。

酸味が過ぎ去れば、“後味”というものは訪れない。82%の苦味もどこかに過ぎ去ってしまったようだ。ある意味では後味すっきりということだろう。

70%と同時に食べ比べてみると、口に含んでから味わいを感じるまでに要するの時間は70%の方が短く、後味の余韻も残っている。酸味のレベルも幾分低いような感じだ。

再び82%のチョコレートを食べてみると、やはり口の中で香りが広がる時間のはかなさを思い知らされる。このように、チョコレートを全て食べ切るのではなく、次のチョコレートとの比較もかねて、少し残して食べ比べしてみるものもなかなかの妙案だ。

80%ではなく82%という割合に作り手のこだわりが感じられる1枚。

カカオハンター Dark Chocolate cocao nibs (5,300ペソ=約150円)

今月はカカオハンターの商品を攻めている。Dark Chocolate cocao nibsを商品棚で見かけた際は、すでにnibsがカカオの実をつぶしたものであることを知っていたので、物珍しい気持ちは芽生えなかったが、パッケージを触った感触から、板チョコではないことが分かった。

チョコボール状のような感じがしたが、買ってからのお楽しみということで早速中身を空けてみる。すると、日本の麦チョコのような小さな粒がまとまっている部分と、ボロボロと粒状になっている部分が現れる。チョコレートにNibsをまぶすのではなく、Nibsにチョコレートをコーティングしているのだろう。

ダークチョコレートと表記されているだけで、どれほどの濃さかは不明だが、甘味は全くなし。Nibsの触感はナッツやアーモンドのようなしっかりとした噛み応えはない。しかし、ナッツ類のようにかみ砕くほどの力をかけなくでも、実が崩れていく。その過程で、ダークチョコレートの味わいが口の中に広がり、じわりじわりとNibsから醸し出されるカカオの味が締めくくってくれる。

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