今月のコーヒー(2021年7月)

コーヒー

La Josefina (Buesaco Nariño) 25,000ペソ(=約700円)

今月のコーヒーとの巡り合わせは偶然だった。

コロンビアに来てからというものの、コロナやデモの影響もあり、ソーシャライズがなかなか進まず、新しいネットワークを構築できずにいた。そんな折、Airbnbの家主が、以前同じようにこのAirbnbに滞在していた人が近くに住んでいて、あなたと会ってみたいと言ってるから、今度家に招待するというような話が持ち上がった。

そんなある日、ジョギングに出かけようとアパ―トの玄関を出たところ、見知らぬ男性が駆け寄って話しかけてくるではないか。ここのAirbnbに滞在しているのか?と。不審に感じていると、どうやらこの人こそが、Airbnbの前の滞在者のようだ。その日は、ジョギングに出かける途中だったため、日を改めて会う約束をした。

後日、しばらく会っていない友達の家に招待されたけど一緒に来る?とのメッセージに同意し、タクシーを走らせることしばし。まだ土地勘がないので、自分がどの地区に来ているのかすら不明だった。

迎え入れてくれたのはホセフィーナという女性。家に入るなり、段ボールが積まれた一角があるかと思いきや、反対側の部屋の角にはテーブルとイスが置かれ、カフェのような空間になっている。

家の一角に設けられたカフェのようなスペース

この方は、最近コーヒーを取り扱うビジネスを始めたようで、まだまだ勉強中ということだったが、コロンビアのコーヒーについて色々教えてくれた。

取り扱っているコーヒーは今のところまだ2種類とのことだったが、それぞれ試飲させてくれた。電子はかりにコーヒー豆を乗せ1グラム単位で調整。その後、豆を挽いていくと、室内にはコーヒーの香りが一気に広がった。

豆を計量後、挽いていく

最初に味わったコーヒーは酸味が際立っている印象を受けた。そして、2杯目はコロンビアの南西部、ナリーニョのブエサコという地域の豆を使用したコーヒー。こちらも丁寧に、電子はかりで豆の量を調整してから、豆を挽く。再び部屋にはコーヒーの香りが充満する。

お湯を注がれたコーヒーは、アロマの香りが引き立ち、1杯目とは明らかに違う味わいを予感させた。実際、香り、味とも酸味の強さより、アロマティックな味わいが口の中に広がり、遅れてコーヒー本来の味が追いかけてくる。一口含まれたコーヒーが口の中で味わいが変化していくような感じ。

正直な印象として、1杯目に頂いたコーヒーは好みではなかった。しかし、この2杯目はお金を出してでも飲みたいと思い、お付き合いという意味合いではなく、商品として購入させてもらった。

これまではスーパーに並ぶ数々のコーヒーを眺めては、次はどれにしようかと思案していたが、今回はこうした流通とは違った、個人のコーヒー商から商品を手にすることができた。ビジネスを始めて間もないので、仕入れたコーヒーを卸しているのは、数軒のカフェしかないとのことだったが、彼女のビジネスの成功も祈りながら、このコーヒーを味わせてもらおう。

今月のコーヒーは、同じAirbnbに滞在していた人との繋がりから偶然にもたらされたものとなった。

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