ベネズエラの絶景・エンジェルフォール 曇空でも圧巻のスケールに感動 

ベネズエラ

今旅のハイライト、Salto Ángelことエンジェルフォールへの道のり。長年、思い続けた場所をついに訪れる瞬間が来た。旅の準備の記事で紹介した通り、エンジェルフォールはオプショナルツアーとなっており、日帰りか滝の前で一泊するかの選択肢がある。今回は、日帰りでのエンジェルフォールツアーを紹介する話。

日帰りツアーは早朝5時出発!

WAKUロッジのレストランスペース

積年の願いがついに叶う日を迎えることになるが、エンジェルフォールツアーの難点は早朝の出発。滞在しているCampamento Canaimaを午前4時30分に出発するため、30分前の4時起床。いくら夢が実現するとはいえ、早起きはいつも辛い。そんな思いに発破をかけるように午前4時に部屋のドアがノックされ、文字通り叩き起こされる。このモーニングコールは依頼していなかったが、ツアー客の遅刻を出さないように実施しているのだろう。

日帰りツアーは295米ドル、エンジェルフォールの近くで宿泊する1泊プランは350米ドル。

ロビーでコーヒーを一杯頂いて出発。同じ宿泊施設からは、ロシア人観光客のおじさんとベネズエラ人の女性と3人。このおじさん、ビーチサンダルで来ているが大丈夫だろうか。

Campamento Canaima を出発したら一旦、隣の宿泊施設のWAKU Lodge で他のツアー参加者と合流するために待機。この間、この宿泊施設のメリエンダと言われる軽食を頂く。丁度、この宿泊施設に滞在する同僚と合流。

辺りはまだ暗闇の中の午前5時に出発。車で20分ほど、ボートの停泊所まで向かう。

エンジェルフォールに向かうのボートの停泊所

それぞれのツアーのグループが各ボートに割り当てられていく。毎日、同じように観光客を迎える地元の人にとっては慣れた行程。エンジェルフォールのツアーとは言え、暗闇の中の出発はどこに向かうのか、あるいはどこに連れていかれるのかという不安さえ感じさせられる。

闇夜に浮かぶ稜線

少しずつ朝焼けが近づく

ボートは所定人数の観光客を乗せると勢いよく水辺を駆け抜ける。徐々に朝焼けが近づき、山の稜線がくっきりと浮かび上がってくる。

夜空が明けてくる

20分ほどボートで移動すると、先住民族マユパ族のPemon Kamarakoto区域を歩いて移動する。時間にして20分ほど。まだまだ体が完全に起き上がった状態ではないので、足取りも軽快ではない。

先住民族マユパ族のPemon Kamarakoto区域

歩いた先でボートが待機しており、再び乗り込み先へ。日が照っていない中、ボートが駆け上がるスピードに風が立ち、肌寒さすら感じる。ジャケットを持ってきておいて大正解。少し歩いたので徐々に眠気から体が起き上がってくることを期待したが、なにせ4時起き。まだまだ眠い。エンジン音を立てて川を上っていくボートの揺れが、さらなる眠気を誘い、時折体がうとうと。ボートの上で寝ているのか?と同僚に突っ込まれ苦笑い。

1時間ほどボートで進んだところで朝食休憩。

朝食休憩スポット
サンドウィッチの簡単な朝食

朝食を食べている際に、それぞれの観光客がどこから来たのか。色々話が盛り上がる。大半は意外にもベネズエラ人、スペイン人やアルゼンチン人もいた。実はツアー内容をよく理解していなかったのだが、朝食時にガイドに確認。エンジェルフォールまではボートで4時間ほどかかり、そこからさらに1時間ほど山を登っていく。これが往路。復路は川を下ることになるので多少、ボートでの移動時間は短縮されるが、移動時間に半日近くを要する。それゆえに、早朝の出発が必要となるわけだ。ようやく納得。

朝食を済ませたらボートへ。食後の眠気に襲われ、先ほどよりも体の揺れが大きくなり、危なっかしい。

ひたすら川を上っていく

訪れた5月はまだ雨が十分に降る季節ではないため、川の水深が浅い部分があり、その箇所は乗客をボートから降ろして、川岸を歩かせる。水深が十分に深い地点に達したら、再びボートに乗り込んで進んで行く。

一部の区間は歩いて移動

ほぼ手付かずの自然といっても過言ではない、このカナイマ国立公園内。ボートでの川移動も、時折、岩の合間をくぐり抜けるなど、スリル満点。

岩の合間をボートがくぐり抜けていく

前日にカナイマに到着した際は、宿泊施設から見えた山の姿のユニークさに目を奪われたが、このボートでの移動中、数えきれないほどの特徴的な形を持った山に遭遇することになる。

山からいくつもの滝が流れ落ちる

さらに、山の一部からは水が滴り落ち、滝が流れ出ている。その高さゆえ、エンジェルフォールが一目置かれる存在だが、滝そのものは、どこにでも存在するといった景色。

4時間のボート旅でようやくエンジェルフォールの姿

ようやく姿を現したエンジェルフォール

ボートに乗る観光客が山から流れ落ちる滝とのセルフィ写真を撮影するのに必死になっている頃、出発から4時間ほど、ボートのエンジン音に負けないくらいのボリュームでガイドが指を指しながら叫び始める。その指先の向こうには、岩山の頂上から流れ落ちる滝の姿。どうやらあれがSalto Ángel ことエンジェルフォールの姿。青空に映える滝とはいかないが、それでもうまく雲が隙間を作ってくれ、滝の全容を見ることができた。

この日、出発してから数えきれないほどの滝の姿を見てきたが、やはりその高さ、水が流れる迫力をして、エンジェルフォールが他の滝とは一線を画すのは一目瞭然。川の上からその姿が見れただけでもすでに感動。長年の想いが叶えられた。しかし、ツアーの醍醐味はここから。滝の近くまで山を登っていくのだ。

登山の入り口で一旦休憩。荷物を軽くするべく、中身の一部は麓の地点に置いて山を登る。

エンジェルフォールに近付くために山を登っていく

前述の通り、同じ宿泊施設から参加しているロシア人のおじさん、ビーサンだけど大丈夫だろうか。そんな心配はよそに一行はどんどん山の中へ。

本格的な雨季を迎えていないので、足下が滑りやすくはないが、それでも時折、段差のある上り坂を駆け上がるポイントがあり、結構ハード。ピクニック気分のハイキングのレベルではない。

カヌーを作る材料となる木

森には先住民族の大切な移動手段であるカヌーを作るための木がそびえ立っており、その幹の太さからも、丈夫なカヌーが出来上がることが想像に容易い。

肌寒さを感じるほどだったボートに乗っているときから一転、山登りは汗ばんでくる。しばらくすると、エンジェルフォールのビューポイントに到着。残念ながら、山の頂上が雲で覆われはじめ、滝の水が流れる始点が覆い被さられる。山の天気は変化しやすいので仕方ない。少なくとも水が流れている姿を見ることができたのでよしとしよう。

エンジェルフォールに接近

エンジェルフォールはその高さ979メートルゆえ、滝の水が流れ落ちるまでにほとんど蒸発してしまうため、滝壺が存在しないと認識していた。たしかに、滝の真下には、プールのような滝壺は見当たらないが、完全に水が蒸発するわけではなく、そこからせせらぎとなって下流へと水が流れていく。よって、滝壺に水がぶつかり落ちる音が響かない分、これほど雄大な滝の前に立っていても、静けさすら漂う。周囲に拡散する水しぶきからのマイナスイオンを十分に浴びてリラックス。

ツアーのクライマックスは滝の傍で水遊び

エンジェルフォールのビューポイントからさらに山を登っていき、最終地点に到着。滝から流れたせせらぎが、おおきなうねりとなり、さらに別の滝が形成され、そこから流れる水でできた滝壺のスポットで水遊び。流れが急なので注意が必要だが、ここまでの登り道で随分と汗をかいたので、体をさっぱりさせるためにも水の中へ。水の冷たさに体が委縮してしまうが、しばらくするとその温度にも慣れ、新鮮な水とマイナスイオンが放たれる空間でリラックス。時折、水の勢いに体を持っていかれそうになるが、上手くバランスをとって水遊びを楽しむ。

地元の先住民族の血を引くガイドによると、エンジェルフォールは地元の人にとっても特別な場所であり、万物の誕生の起源のような位置づけで、誰もがときには訪れることを望むが、いかんせんこの片道4時間の距離は、それほど簡単に訪問できること許してはくれないという。

水遊びをしている間に、日向に干して置いた汗ばんだ服も乾き、復路へ。

空模様を見たガイドの計らいで、再びエンジェルフォールのビューポイントに立ち寄ると、今度は水の起点からしっかりと水が流れ落ちる姿を見ることができた。その流れは永久のような印象も与えるが、雨の降らない季節には、水はほとんど流れ落ちないというからまた不思議。

雲が少し晴れ、全容を見せたエンジェルフォール

山を下ると、川の対岸でランチタイム。ダイニングスペースのほか、1泊2日のツアー客が宿泊するための、ハンモックを並べるスペースがある。ここで寝泊まりするのか。

シャワー、トイレのほか、この4時間ほど山奥に進んできた場所でもWiFiが繋がり、十分に整備された施設。しかし、個人的にはエンジェルフォールを照らす星空のロマンティックのため、ハンモックで寝るより、ベッドで心地よく休みたい。並べられたハンモックを見て、一緒にきた同僚も日帰りツアーで十分とコメントしていた。

川の対岸から眺めるエンジェルフォール

ボートに乗船している際は、じっとしているだけなので、それほど体力の消耗はないが、山登りは往復で2時間弱の道のりだったので、さすがにお腹も空いてくる。

なかなか食事が出てこないので、その間にシャワーを浴びておく。

ようやくビュッフェ形式の食事が用意され、メインの鶏肉にサラダ、ご飯。運動の後、かつこのエンジェルフォールの眺めで味わう食事は、たとえ特別なメニューでなくても格別な味わい。

エンジェルフォールツアーの昼食

しばらく休憩をしていると、無常にも雨が降り始めたため、しばらく様子を見ながら出発のタイミングをガイドが図る。午後3時過ぎ、雨が収まった頃合いに一同一斉にボートに乗り込む。

エンジェルフォールとのお別れ

復路は川を下ることになるので、往路よりは所要時間が短いという。それでも4時間弱の道のり。時折雨粒が落ち始め、使う見込みは薄いかもしれないと持参したポンチョが大活躍。行きと同様、水深が浅いポイントは川岸を歩いて移動。

午前中は早起きのせいで、眠気に襲われボートの上でうとうとしていたが、午後はツアー疲れから時折首はかくかくと現実と夢の世界を行ったり来たり。ボートに座りっぱなしというのも案外、疲労に拍車をかける。

3時間40分ほどで、出発地点に戻って来る。その頃にはすっかり日は傾き、今度は夕焼けに消えて行く山の姿を眺めながら帰路を急ぐ。

夕焼けに染まる景色

同じようにボートの停泊所から車でWAKU Lodgeまで戻ってくると、スナックが準備されツアーの疲れをスイーツで癒す。同僚としばし、コーヒーを一緒に飲みながら、エンジェルフォールの旅の感動を分かち合う。

ベネズエラ旅行のハイライトの1つエンジェルフォール。ツアー料金は決して安くはないが、その唯一無二の存在感とスケールは、ツアーの費用を支払っても必見の価値あり。往復約8時間のボート、山登りも待ち受けているので、体力のあるうちに是非、訪れてみてもらいたい。

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