ニュージーランド・ドライブ旅Day7クイーンズタウン~プナカイキ

ニュージーランド

美しい自然に溢れるニュージーランド南島、その中でも西岸部は他の地域とは一味違った景色を楽しめるというが、雨が降ることが多く、ハイキングなどが楽しめるかは運任せ。週間天気予報をチェックすると、見事に雨マークのみ。それでも1日だけ、曇のち晴れマークが出ていたのがプナカイキという町。天気予報を信じて、クイーンズタウンから約570キロ、1日あたりの走行距離では人生で最も長く運転したドライブの話。

魅力的な西岸部、天候は不安定

クイーンズタウンからプナカイキまでは570キロ、約8時間の所要時間。休憩を入れたり、景色を撮影したりしていると、当然ながらもっと時間がかかる。この日は、暗くなるまでに、到着することを願ってクイーンズタウンを午前8時に出発。

この日は連休明けの月曜日。皆、仕事に戻って来たかのようにトラックが行き交い、交通整理の作業員の姿も。ちょっと雲行きが怪しいが、雨が降らないことを願ってドライブスタート。

クイーンズタウンから2時間ほどでハワエ湖を通過。この場所は前日に訪れたワナカ湖のすぐ近く。そのワナカ湖も通過した場所が違うせいか、昨日散策した同じ湖とは思えない姿を見せてくれた。

湖に別れを告げ、山間の道に突入。少し晴れ間も出てきて、運気が上向いてきた気がする。特に交通量は多くなく、自分のペースで運転できるのがありがたい。

長時間ドライブにカフェ休憩はマスト

マカロラという町のカフェ

運転開始から2時間を過ぎたころから、背中や肩の筋肉に張りを感じるようになり、どこかで休憩を挟む必要に迫られる。高速道路を走行しているとはいえ、ニュージーランドではパーキングエリアのようなスポットは見かけず、小さな町を通過する際に、ガソリンスタンドやカフェを見かける程度。その小さな町を過ぎれば、次の町がいつ現れるかも不明なので、カフェを見つけたら迷わず停車が鉄則。

木のぬくもりを感じる店内

マカロラという町の道路標識が目に入ってきたと同時に、ノスタルジックな雰囲気のカフェが道路沿いに現れたので、そこで休憩。

外観からは一瞬、営業しているのか戸惑ってしまったが、中は広々とした空間が広がっていて、暖炉に火が灯り、旅人を暖かく迎えてくれる。

フラットホワイトとマシュマロケーキ

少し肌寒く感じる天気だったので、フラットホワイトを注文して冷えた体を内から温める。プナカイキまではまだまだ距離が残っているので、糖分も必須。ということで、中にマシュマロが入ったチョコレートケーキも注文。合計で13ニュージーランドドル(約1,200円)。

まだ数時間しか運転していないが、神経を使っているせいなのか、甘いものがいつも以上に美味しく感じられる。

観光名所めぐりは雨で断念

カフェでの休憩を後にすると、雨が降り始める。気を引き締めて運転。今日は1日ドライブの日なので、途中でどこか観光スポットか軽いハイキングが出来ればとも思っていたが、この雨にその気持ちが打ちのめされる。

目当てにしていた観光スポットの1つがブループールズ。しかし、駐車スペースから45分歩かないといけない。雨のせいで迷いもなく断念。これも次回、訪問する機会があった場合に取っておこう。

Thnuder creek falls

ブループールズを通過した際には、傘を差さないといけないほどの雨足だったが、レインジャケットのフードでも耐えれそうな小雨になったので、サンダークリーク滝までは車を降りて歩いて向かう。

近くに観光バスも停まっていたので、見所スポットとしては外せない地点かもしれない。

どんな滝か事前リサーチもなしでの訪問となったが、その落差は顔をしっかりと上向けないといけないくらいの高さ。横幅はないのでシャープでスリムな滝といった印象。

高さのあるサンダークリーク滝を見せられたので、高低差のある道が待ち受けているのかと思いきや、案外フラットな道が続ていく。世界遺産にも登録されているハースト地域でも立ち止まろうとも考えていたが、特に注意を引くものがなく、天気も芳しくないので通過。

海沿いのドライブがスタート

クイーンズタウンを出発してから4時間半ほど、ようやく山々に囲まれた湖の景色に別れを告げて、オーシャンビューが広がり、海沿いのドライブがスタート。大袈裟に言うと、これまでの景色とは全く異なり、違う国にワープしたような錯覚させ感じさせられる。

熱帯雨林に彷徨ったような景色に迎えられる

ちょうど昼食の時間帯に走行中、サーモンの文字が目に飛び込んで来たが、後続車にピタリと付けられていたため、急停止できず、サーモンを見逃してしまった。どこかでUターンも考えたが、丁度いい場所が見つけられず、どんどんサーモンが離れていく。これは縁がなかったということだろう。

13時30分過ぎ、ブルースベイに到着。植物に特別な知見があるわけではないが、そんな素人でも、これまで見てきたニュージーランドの自然とは全く異なる生態に迎えられたのが分かる。熱帯のジャングルにでも来たような印象さえ受ける。

緑の方に目を向けると、異国の地を感じさせられるが、どんよりとした雨空と海の時化はどこか冬の日本海を彷彿とさせ、ちょっぴり親近感も抱かせてくれる。

フォックスグレイシアでランチ休憩

14時15分、少し遅めの昼食のため、フォックスグレイシアで休憩。マウントクックの山を越えた海側にあるこの町は、氷河を巡る観光スポットとしても人気で、ヘリコプターで氷河に降り立ち、少し散策するようなツアーが組まれている。今回はドライブでスルーするだけなので、氷河散策はまた次回の機会に。

さきほどサーモンを逃した悔しさのせいか、あるいは長時間にドライブのせいなのか、レストランの外壁に掲げられた「Saloon」の文字が「Salmon」に見え、喜んで入店。店員におススメのサーモン料理を尋ねたら、サーモンはない!と一蹴されてしまう。

それならサーモンの文字を掲げるのではない!詐欺ではないかとすら思ったが、勘違いをしていたのは自分自身と後で気付かされる。

サーモンの代わりにイカリングフライ 26ニュージーランドドル(約2,400円)を注文。店員さんがとてもフレンドリーで、旅の話で少し盛り上がる。プナカイキまで行く予定と告げると、それはクレイジーなドライブと失笑される。

このフォックスグレイシアまでも随分と長い距離と時間をドライブしてきて、さすがに疲労も感じ始めていたが、クレイジーと言われるくらい、まだまだ先行きが長いことを悟らされる。

プナカイキまでラストスパート

昼食後、プナカイキまでの距離をチェックすると、まだ3時間もかかることが判明。日没前には到着できそうだが、それでもまだまだ長い道のり。

16時20分、Hari Hariを通過。もはや気力だけでドライブ。雨空のせいか、景色を楽しむ余裕すらない。天気のせいか、原因は不明だが高速道路上に動物の亡骸を見かける回数が増えている。

疲労のせいでもはや山や海の景色が移ろいでも、何の感情も湧かなくなってきた。そんな心に刺激を与えるかのように、突如、線路が現れる。列車が運行しているのか?少し、好奇心とともに、エネルギーが湧いてくる。

しばらくするとHokitikaを通過。この町は旅中に出会ったオランダ人におすすめされた場所。天気予報があまりよろしくなかったので、この地を訪れることは断念したが、運転に疲れてきたので、この町の滞在でもよかったなと少し後悔。プナカイキまでは残り80キロ、1時間少しの道のり。

この日最後の給油

プナカイキまで40キロとなった地点で、残りのガソリンの走行可能距離は130キロ。給油なしでプナカイキまでたどり着けると思っていたが、次のガソリンスタンドまで90キロという標識が見え、慌てて引き返してガソリンスタンドで給油。

プナカイキにはガソリンスタンドはないので、結果的には引き返して給油したのは賢明な判断だった。

プナカイキに近づくにつれ、風がどんどんと強まる。車のハンドルを少し取られそうになるくらいの強度。

昼食を取ったフォックスグレイシアからは景色は明らかに変わり、雨が多いせいか、湿地帯の緑が広がる。ビュービューと容赦なくコンパクトカーに吹き付ける風と格闘しながら、辺りが暗くなるまでに到着したいという願いだけで、車を走らせる。

疲労のピークを越えて、無心状態で運転。18時45分、ようやくプナカイキのゲストハウスに到着。午前8時にクイーンズタウンを出発してから約11時間。1日の運転時間としては人生で最長。とにかく疲れた。長距離バスの運転手さんのすごさを実感させられた。

長時間のドライブの癒しとなったのは、ワナカで買ったパン。しっかりとした香りが立ち、11時間に及ぶ長時間のドライブ中も、車内に食欲を掻き立てるパンの香ばしい匂いを充満させてくれた。

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