ニュージーランドハイキング・アオラキ/マウントクック

ニュージーランド

絶好のハイキング日和となったこの日は、アオラキ/マウントクックのコースに。いくつかのハイキングコースがあり、本格的な装備が必要なルートから軽装でも楽しめるルートまで、幅広い観光客がアオラキ/マウントクックの美しい姿に見とれながら、1日中ハイキングを存分に楽しんだ日の話。

行く手を阻んだまさかの雪!

前日のハイキングは絶景を楽しめたものの、運動という意味では少し物足りなかったので、今日はガッツリ歩きたい気分。いくつかのハイキングコースから少し長めの距離がかかるMueller Hut Routeを検討してみたが、町の観光案内所で尋ねると、先週に雪が降ってまだ積もった状態なので、雪山の装備がないと登るのは難しいということだった。

雪に対する備えは全くできていなかった上、そもそも雪山のハイキングの経験もないので、ここは無理をせず途中までのコースとなるSealy Tarns を目的地に設定。案内板には往復2-4時間の道のりと記されている。

ハイキングのスタートは山の中に吸い込まれていくような道順

10:10amハイキングスタート。最初は砂利道の登山道を進んでいくだけなので、これは案内板にあるように2時間もあれば戻ってこられるかと高を括っていたが、それは大きな誤算だった。しばらくすると登り道になる。幸い、階段が整備されているので登りやすいが、傾斜がそこそこあり体が汗ばみ始める。ジャケットをリュックに入れて、先を目指す。

先を行くハイカーを追い越していったが、中にはアイゼンをリュックに結びつけている人もいて、この先の道のりに一抹の不安が漂い始める。

雪が残る登山道

その不安を助長するかのように、登山道に雪の姿が現れる。久しぶりに見た雪に気持ちが高ぶったが、いくら整備されている登山道とは言え、雪に足を取られることもあり、スピードが落ちていく。上から下山してくる人の何人かにこの先の様子を訪ねると、踝から膝下くらいの深さまで雪が残っていて、登るのはかなり大変で、さらに降りるときは何度も足を取られて転んだと教えられ、さらに不安が高まる。行けるところまで行って、危険と判断すれば引き返せばいいという心構えで先を進む。

雪がどんどん深くなっていく登山道

太陽がよく当たる方角の登山道は、雪がすでに溶けたり、多くの登山者が歩いたおかげで登るのはそれほど困難ではなかったが、日が当たりにくい場所は、まだまだ雪が残っており、教えられた通り膝下くらいまでの深さの雪に行く手を阻まれる。

ミューラー湖

靴の中に雪が入ってしまい靴下が濡れて少し寒さを感じたる一方、半パンで登山をしている人の姿も。日差しがきついくらい晴れ間が広がっていたので、足先の寒さはなんとか耐えしのぐことができた。雪が残る登山道に悪戦苦闘しながらも、目の前に広がるミューラー湖の景色は、少し重くなってきた足取りを前進させる気力を与えてくれるくらい壮大。

Sealy TarnsとMueller Hutの分岐点

1時間30分近く雪と格闘しながら登ると、Sealy TarnsとMuller Hutの分岐点に到着。視線の先に広がる雪山の景色を見て、Muller Hutへは断念。これはハイキングの域を超えて、雪山の登山。装備も十分でないのでリスクは取るべからず。

Searly Tarnsの展望台

そのままSearly Tarnsの展望台のようなスポットまでラストスパート。最後の気力を絞る。展望台といっても、ベンチとテーブルが置かれてちょっと休憩できるくらいのスペース。

机は10センチメートルくらいの雪に覆われたままで、食べ物を広げることができない。時計を見ると時刻は11:40am 90分ほどの所要時間で目的地まで到達。雪に行く手を阻まれることが多々あったが、1時間半ほどでたどり着けたのでまずまず。展望スポットに立つと、雪山との距離が縮まりその迫力がさらに増す。雪の白さに凍えそうな印象を与えるかもしれないが、太陽が燦々と照っているおかげでむしろ少し暑くて、雪で湿った靴や靴下も少し乾くくらい。その間に、軽く持参したサンドイッチとチョコレートで栄養補給。30分ほど食事を取りながら展望スポットで休憩後、下山開始。

登りより下りの方が難しいことがよくあるが、今回はまさにその典型。雪に足を取られて尻もちをつくこと数回。それでも50分ほどで登山道の入り口まで戻ってくることができた。

ニュージーランドで最も絵になるハイキングコース

午前中にがっつりとハイキングを楽しんだので、もうこれで十分かなとも思ったが、せっかく天気もよいのでHooker Valley Trackにも挑戦しよう。挑戦といっても、ハイキングコースはよく整備され、初心者でも十分に楽しめる往復3時間の道のり。実際に、サンダルで歩いている人を見かけたくらい。時刻はすでに14時を回っていたが、10月下旬のニュージーランドは20時くらいまで明るいので、時間にはまだまだ余裕はありそうだ。

Hooker Valley Trackには3つの吊り橋がかかる

歩き始めると、道のりは平たんで小さな子供連れの家族もよく見かけるくらい老若男女楽しめるコースのようだ。唯一、鬼門となったのが吊り橋。橋の下を流れる川までの高さは数十メートルはありそうなくらい。高所恐怖症にとっては登山よりもつらい。

定員は20人まで!

吊り橋の定員は20人に定められているが、とくに数えている人もいないので、なんとなく混雑していたら譲り合う仕組みなのだろうか。10月下旬は観光のピークシーズンではないので、程よい人の流れ。雪山にようこそと迎えられているような距離感。そしてなによりこの整備された山道のおかげで楽々に進むことができる。

整備された山歩道

整備された山歩道と自然の美しさの調和も見事なのだが、それに水を差すようなゴミが1つも落ちていないことに驚く。世界中から観光客が訪れるが、皆、ニュージーランドの自然に対するリスペクトができている。山歩道にはゴミ箱も設置されていないのに、これほどまでゴミを全く見かけないハイキングコースは珍しいくらい。

1時間ほど歩いて、ハイキングコースの終着点に到着。泥のような色をした湖と氷河に覆われる雪山が織り成す景色がハイカーを迎える。少し休憩をして、目の前に広がるパノラマビューを楽しむ。それにしても本当に天気に恵まれた1日だった。このコースは夕日の時間帯も夕焼けに染まる山の景色を楽しめるようだが、日没まではまだまだ時間があるので、さすがに待つわけにはいかない。偶然、同じゲストハウスに宿泊するオランダ人と出会ったので、一緒に引き返す。帰りは1時間20分ほどの所要時間で戻って来ることができた。

山歩道はよく整備されているので、特別な装備がなくてもOK。道のりもほとんど平坦なので、体力に自信がなくても問題はなさそう。ニュージーランドを代表するアオラキ/マウントクックの眺望が広がるハイキングコースは最も絵になる場所と言っても過言ではないだろう。

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