タイ・カオラックで過ごす“ドイツ式”バケーション

カオラック

スイス人の友人家族とタイで共に休暇を過ごすことになり、滞在したリゾートはドイツの旅行代理会社TUIグループ傘下のRobinson Club。これまで耳にもしたことのないリゾートで過ごしたドイツ式のバケーションの話。

巨大なリゾート、スポーツ施設からビーチまで完備

リゾートの目の前に広がる海

友人とメッセージのやり取りをしていると、バンコクとプーケットに行くので、都合が合えば一緒に休暇を過ごそうと誘いを受ける。もう20年以上もの付き合いになるが、この友人はプーケットを楽しむようなタイプではない。何かあったのだろうかとも思ったが、予約したホテルを共有してくれた際、所在地はカオラックとなっている。どうやら、プーケットは空港を利用するだけのようだ。

友人家族と一緒に時間を過ごすなら、同じホテルに滞在したほうが、都合をつけやすいだろう。到着3日前の直前の予約となったが、お値段は6日間で57,834円。予約サイトで価格に差があったが、今回はTrip.comが最安値だった。

ロビンソンは聞きなれない名前だったが、友人は小さい頃から家族で旅行の際は、よく利用していたという。なんでも今のようにオンラインで宿泊先を予約できなかった頃は、旅行代理店経由で申し込んだ旅行の際、ロビンソンに滞在していたという。今回の機会がなければ、知る由もなかった。

ドイツ資本のリゾート施設ということで、宿泊客のほとんどがドイツ人、友人のようなスイス人がちらほら。タイ人や韓国人がごくまれにといったところ。

世界各地でリゾートを展開するロビンソン

チェックインを済ませると、まずは施設の案内。地図を見せられるも、1つの町ではないかと思うくらいの広さ。

巨大なリゾート内の施設

ひとまずはロビーと部屋の位置関係だけを頭に入れる。プールやバーはもちろん、テニスコート、ビーチバレーコート、ミニゴルフなどの充実したスポーツ施設。時には、合宿のためにも使用されることもあるようだ。施設内で迷子になりそうなくらいの広さ。

言及するまでもないが、リゾートの目の前には海が広がる。

寝転がれるサイズのバスタブ

木のぬくもりが感じられる客室

友人と事前に予定を調整できれば一緒にヴィラを借りるという選択肢もあったが、タイに行くことを決めたのが直前だったので、今回はツインルームに滞在。

客室は木のぬくもりが感じられ、バルコニーからは緑が飛び込んでくる。豪華さや華やかさはないが、ドイツらしい質実剛健な印象。

大きなバスタブ

リゾートはタイのカオラックで運営されているが、宿泊客の多くはドイツ人。そのサイズに合わせたかのような大きなバスタブ。足を伸ばせるどころか、寝そべることができそうなくらいの大きさ。これはドイツ資本ならではの規格。

虫よけも兼ねてレモングラスのアロマの香りがやさしく部屋を包んで迎えてくれるもの素晴らしい。

環境に配慮した瓶のミネラルウォーター

4月終わりのカオラックは、じっとしているだけでも汗が噴き出るような暑さ。どれほど水分補給をしなければならないだろうか。部屋にはミネラルウォーターのボトルが5本も用意され、毎日ハウスキーパーの方が補充してくれる。

環境保護先進国のドイツらしい、瓶のミネラルウォーター。灼熱のリゾート地で、ペットボトルのミネラルウォーターを導入すれば、一体どれだけのプラスチックが使用されることになるだろうか。

シンプルなアメニティ

アメニティはシャンプー、シャワージェル、ボディーローションのみ。化粧品メーカーのロゴはなく、ロビンソンの文字のみ。

ドイツの食事には期待すべからず?

今回の宿泊には朝食のバイキング付き。東南アジアらしいフルーツから、シリアルなどの西洋スタイルのメニューから、アジアンスタイルの朝食まで幅広いラインナップ。

パンの種類の多さは、やはりドイツらしいといえば、ドイツらしい。

メニューはドイツ語と英語の表記

昼食と夕食は、レストランでコースを注文することもできるが、友人家族が1度試してみたところ、食べきれない量だったので、滞在中はリゾート内のバー/レストランでアラカルトで済ませることに。

タイ料理をドイツ人の口に合うように改良された品々は、お世辞にもおいしいとは言えない。大好きなパッタイは、ナンプラーの代わりにケチャップを使用しているのか、正直失望してしまった。

辛い料理はそれほど得意ではないので、心の底からタイ料理を楽しめるというわけではないが、それでもこのドイツ流にアレンジされた味はちょっといただけない。個人的には、ドイツという国をグルメ大国とは認識していないので、過度な期待は禁物だ。

何度か食事をしていると、従業員の方も顔を覚えてくれ、注文する際に、タイらしさを残すか、ドイツ風にアレンジするか尋ねてくれるようになった。

トムヤムクンをタイのオリジナルのままで注文した一品が、滞在中頂いたメニューの中ではベストだった。

何もしない=バケーション

大人専用のプール

リゾートは、周辺の観光スポットへのツアーを提供しているほか、リゾート内でのエクササイズなどのアクティビティも充実している。

しかし、多くのドイツ人観光客を見ていると、滞在中にあれもこれも体験するというよりは、ビーチの前のパラソルでのんびり読書をしたり、昼寝をしたりしてくつろいでいる姿が目立つ。バケーションは、日常の煩忙から離れて、何もしないというのが贅沢なのだろう。

到着した初日こそ、アクティビティにも目を向けて、滞在中のプランをあれこれ巡らせてみたが、段々とドイツ式のバケーションに引き込まれる。

友人の子供がテニスを習い始めたということで、まだ小学校中学年ならば、打ち負かされることもないだろうと、テニスコートに繰り出したが、灼熱の太陽に皆、打ち負かされてしまい、20分もしないうちにギブアップ。おとなしく、プールに移動して火照った体をクールダウン。海は、クラゲが所々に浮遊していたので、入る気にはならず。

結局、滞在期間中はリゾート内で引きこもり、一緒に朝食を食べた後は、プールでのんびり。昼食後は、エアコンの効いた部屋で友人の子供たちとスイッチに興じる。エアコンで少し冷えた体を温めるべくサウナへ。そして、夕食後と1日、のんびりと過ごす日々。

リゾート内のサウナ

リゾート内のサウナは、日中はビーチでのんびりしている宿泊客が多いので、閑散としている。更衣室は男女で建物の左右で分かれており、同じように2つのサウナが左右で分断されていたので、最初は男女で分けているのかと思いきや、どうやら、水着を着るか、裸で入るかによって分かれている。

サウナであれば、裸で男女が同じ場所に居ても問題ないということ。ドイツならごく一般的なことだろうが、アジアのタイでこのような場所があると、少し戸惑ってしまう。

1週間近い滞在は、文字通り、何もしないのんびりとしたバケーションに。友人の誘いで、タイでドイツ式のバケーションという貴重な体験をすることができた。

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