タイの物価

タイ

近年、円安が叫ばれる中、日々の暮らしの中の食料品や、企業業績への影響が顕著だが、海外旅行も例外にあらず。微笑みの国タイにも円安の波が押し寄せ、もはやお買得な旅行先ではなくなりつつある。約10年ぶりのタイへの訪問で実感したタイの物価を紹介する話。

バーツに対しても円安進行

ビーチパラソルとデッキのレンタル料100バーツ

ニュースで紹介される為替相場はドル円、ユーロ円くらいなので、タイ・バーツの為替市場には注意を払っていなかった。前回の訪問時には1タイ・バーツ=3円くらいのレートだったとうっすら記憶していたが、最新のレートを見て驚き。何と1バーツ=4円を超え、4.25円(2024年5月16日現在)にまで円安が進行している。

手元に100バーツほどの紙幣が余っていたので、今回の旅行に持参したが、両替した際の価値は3,000円ほどだったのに、いまのレートでは4,000円を超えているということになる。

円安でゴールデンウィークの海外旅行、特に日本人に人気のハワイなどで懐が寂しくなるとニュースで取り上げられていたが、タイも例外ではなさそう。

ローカル料理には割安感

日本人の口にも合うパッタイ

今回の旅は、日本のゴールデンウィークシーズンにあたる5月上旬。Airbnbで予約したプーケット・パトン地区のコンドミニアムは8泊で56,698円、1日あたり7,000円ほど。プール、ジム完備、部屋はスタジオタイプでバルコニーも付いていたが、お買い得感はあまりない。これもすべて円安の影響。

コンドミニアムにはキッチンも付いていたので、たまには自炊もしようと考えていたが、暑さにその志が遠のき、ヨーグルトなどで簡単に済ませた朝食以外は、すべて外食。

大好きなタイ料理パッタイは、コンドミニアム近くのレストランで150バーツ(=約640円)、フルーツシェイク99バーツと合わせるとなんと1,000円を超えるではないか。もはや東南アジアも日本人の財布に優しい国ではなくなったのか。

桜の季節にタイから日本へ多くの観光客が訪れていたが、その数が増えた理由が分かったような気がした。 

エアコンが設置されているレストランの価格は、扇風機しかない店舗と比較して高めに設定されており、パトン地区に数日滞在する中で見つけたKochet Food が、お値段が最もお手頃で味も申し分なかった。例えばパッタイ80バーツ(=約342円)、グリーンカレー200バーツ(=約855円)、フルーツシェイクは70バーツ(=約300円)など。ここならば、パッタイとシェイクで1,000円からお釣りが返ってくる。

最安値のフルーツシェイク

暑いので体を冷ますのに欠かせなかったフルーツシェイク。見つけた中で最安値は50バーツ(=約215円)。これならば、気軽に飲むことができたが、ビーチで同じものを注文すると140バーツもしていた。

タイ料理は大好きだが、毎食食べていると香辛料と油のせいか、少し胃が重たくなったのでサンドウィッチで胃休め。

カフェで食べたチキンアボカドサンド

小洒落たカフェで、フレンチフライも付いてきたとは言え、チキンアボカドサンドが295バーツ(=約1,261円)、マンゴーとパッションフルーツのシェイク145バーツと合わせると2,000円近い。

タイでワンコイン500円ほどであれこれ食事を楽しめた時代はもう終わった。

水はお手頃価格

コンビニの水売り場

日差しが強く暑いプーケット島。水分補給が欠かせない。さすがにフルーツシェイクばかり飲んではいられないので、ミネラルウォーターで体を潤す必要がある。

セブンイレブンオリジナルブランドの水は1.5リットルで13バーツ(=約55円)。コンビニで購入していることを考慮すると、水に関してはまだまだリーズナブルな印象。これがゆくゆくは日本円換算で100円を超えるような日がもうすぐ来るのだろうか。

安い人件費の恩恵?マッサージはまだまだ格安

Wifiも完備するマッサージ屋

タイ旅行に来たら是非、利用したいマッサージ。足つぼからアロマ、全身オイルマッサージと様々なコースが受けられる。

タイバーツに対する円安に、割高感を感じてしまった食事に気分が沈むが、マッサージはまだまだ格安な印象。

足つぼマッサージは、路面店のマッサージ屋さんで1時間180~300バーツ(=約770~1,280円)200バーツのところが多かったので、まだ1,000円以内で足つぼマッサージを受けられるのはお得な気分。

他には店舗にもよるが、全身オイルマッサージは2時間で800バーツ(=約3,400円)とこちらも日本と比較すると格安。

ここまで安いと最低賃金が気になるところだが、タイは地域によって異なるが2023年12月の閣議で承認された最低賃金(日給)は、330~370バーツ(=約1,411~1,580円)と日本の水準と比較するとまだ差がある。

配車アプリはBoltに軍配

プーケットの”足”トゥクトゥク

BTSが整備されたバンコクと比べると、プーケット島の公共交通機関はまだまだ整備されていないので、主にはバイクタクシー、トゥクトゥク、配車アプリを使用して移動することになる。

5分ほどの短距離であれば、バイクタクシーでも問題ないが、パトン地区からプーケットのオールドタウンに向かう際などは、山を越えるのでアップダウンがあり、バイクタクシーはお薦めできない。

プーケット島で便利な配車アプリはGrabかBoltの2つが主に挙げられるが、バイクタクシーを手配する際は、前者の方が登録されているドライバーが多く、手配しやすい印象。値段は両者であまり差異はない。しかし、車となると、後者の方が割安。一例を挙げると、プーケット空港からパトン地区まで、Grabは741バーツに対し、Boltは548バーツ。Boltの難点を挙げるとすると、クレジット払いでアメリカンエクスプレスを受け付けないところだろうか。

近年の円安傾向に世界的なインフレ、タイももはや「超」がつくほどの割安な旅行先ではなくなってしまったのが現実。それでも、ローカルな食堂で食べるタイ料理はまだリーズナブルな上、足つぼマッサージなどのサービスは日本での価格と比較すると安いので、お財布を過度に心配しないで楽しめる術はまだ残されている。


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