コロンビアで迎える新年

生活

人生で初めて迎えるコロンビアでの新年。体調が万全ではないため、数あるイベントに出かける気にもならず。クリスマス同様に家でおとなしく過ごそうかと思っていたら、久しぶりの朝帰りになるまでに…コロンビア人は新年をどのように迎えるのか。

ありがたいお誘いに振り回される

体調がすぐれなかったクリスマスは特に何をするわけでもなく、そんなことを友人と話していたら年末は一緒に何かやろう!ということになった。と言っても年末の数日前に話をした際には、場所や時間、何をするのかも全く決まらず、また連絡すると。ラテンではよくある曖昧な口約束。予定が流れることも多いのでプランA、B、場合によってはCまで立てることもあるが、コロンビアではまだまだ代替案を確保できるくらい交流関係は充実していないのが現実。

勝手な想像としては、夕方ぐらいに会って夜ご飯を一緒に食べてカウントダウンを迎えるというようなスケジュールだろうと考えていた。当日の午前中まで何の連絡もなく、午後に一度こちらからメッセージを送ってみた。

しかし、数時間既読にならず。やっと音声での返事が届き、迎えに行くので住所を教えてと。大した準備はないが、一応の目途として何時くらいになるかと尋ねるとまた連絡すると会話が終了。

20時を過ぎても何の連絡もなかったので、予定が流れたと思い、夕食の準備に取り掛かる。すると、突然もうすぐ迎えに到着すると連絡が来た。お誘いは非常にありがたいのだが、ラテンの世界の困難なところは予定の目途が全く立たないので、結構振り回されるところ。すでに調理を始めていたので、軽く夕食を済ませる。

友達の友達も加わり、車のお迎えが来て4人で出発。しかし、何をするのかよく分からないまま、車でドライブ。さすがに年末なので交通量もほとんどなく、年末らしい静けさをひとときの間感じられた。

一行の中にベジタリアンがいるので、ベジタリアンレストランに向かう。しかし、今日はレストランの営業はしていないと。でしょうね。31日だから。我々はカウントダウンまで一体何をするのだろう。

レストランを後にして、連れの中の1人が父親に挨拶に行きたいということで、その地区に車を走らせる。ドライブの甲斐空しく、父親は不在だった。しかし、年末を家族で過ごそうと親戚や従妹やらが里帰りしてきていて、それぞれに挨拶。でも正直なところ、お互いにお前誰やねんと思っていたはず。

適当にくつろいでいてと言われるままリビングのソファに腰かけてみたが、ラテンの世界あるある、何待ち?状態。連れの方はどうやらご近所さんに挨拶に行っているみたいで、これは父親が帰ってくるまでここで待機する流れ?

1時間くらい居たのだろうか、どうやら父親が戻ってくる気配がないとのことで、その場から去ることに。結局もう1人の連れの実家に向かうことに。もうこの時点で22時は回っていた。

2021年最後の食事

家に着くなり、テーブルセッティングがされていた。今から夕食?もう夜もかなり遅いですが…。出発前に夕食を軽めにしておいて正解だった。メニューは、サラダ、魚のメイン、野菜とフルボリューム。さらに、デザートまで。

敬虔なクリスチャンの家庭のようで、食事の前には神への感謝を皆で示し、ディナースタート。招待されている身なので与えられた食事はすべて食べたいところだが、体調がすぐれないこともあり、さすがにちょっときつかった。

食事が終わるころには、気づけばもうカウントダウンまであと僅か。どうやら、新年の瞬間はこの家の中で迎えるようだ。時計に目を光らせてはいなかったが、外で打ち上げられた花火の猛々しい音で、年をまたいだのを実感することができた。

総勢7人での遅めの夕食だったが、それぞれと新年の抱擁を交わす。まだまだコロナも油断ができない状況だが、2022年は前年よりもよい年になりますようにと願いを込めて。

食事の後片付けの傍ら、友人が持参したウクレレで歌い始める。自由人。無事にカウントダウンを迎えられて、そろそろお開きかと思っていたところ、ショータイム。彼女の持ち歌のレパートリーが無くなるまでしばし余興が続いた。

静かな家族ディナーの後はパーティーへ Vamos

レストランで開かれたこぢんまりとした年明けライブ

運転してくれた友達の友達が夜になり気温が下がったせいか、ウクレレの音が響く家の中でジャケットに袖を通している。さすがにちょっと肌寒いのかと思ったら、これは次なるパーティーに出かけようというサインだったらしい。

初対面の人の家族との年越しディナーの場を去り、再び車で移動。到着したのは先程のベジタリアンレストラン。どうやら、今日はレストランの営業ではなく、スペースを解放してバンドのショーを実施するようだ。

20-30人くらいのこぢんまりとした集まりだったが、バンドの演奏に耳を傾けながら、新年の時間を過ごす。地元の人が中心だが、日本に1年間住んでいたことがある人、メデジンから来た人、はたまたモザンビーク人の観光客もいて、いろいろ交流を楽しめた。

バンドの演奏も終わり、それぞれがおしゃべりを楽しむ時間になったが、時刻はすでに3時を回っている。しかし、車で連れてきてもらったため、帰る手段がない。タクシーもほとんどサービスをしていない状況。そもそも自分がどこにいるのかすら分かっていない。

車を運転してきてくれた人はまだおしゃべりに夢中。そんな時間を遮って帰りたいとは言い出せず。そうすると、前述の日本に住んでいたという1人が別の場所のパーティー?に行くから一緒に行こうと誘ってくれた。

幸い、その場所が自分の住んでいる地区だったので、帰りの足を気にしなくても済む。新年最初の幸運が訪れた。どうやらこのベジタリアンレストランは家からそれほど遠くはないところにあった。さらに2人が加わり4人でレストランを後にした。

自宅でのパーティーは無法地帯

歩いてすぐだからという言葉は信用に値せず。結局30分近く歩くことに。その道中、あちらこちらで人の群れに遭遇。高架橋の下で音楽をガンガンにかけて楽しんでいる場所があったり、新年は近所迷惑関係なしと言わんばかりのボリュームの音楽で、リビングでダンスを楽しんでいる家があったりと。これがコロンビアの新年の迎え方の1つのスタイルでもあるのだろう。

広場か公園での集まりに向かうのかと思いや、友人の家に行くようだ。普段こんな時間に出歩くことはないが、正月だし、4人の集団なので問題はないだろうと判断。無事に、目的地まで到着。すでに1人が死んだようにリビングの中心で眠りに落ちていた。

誰だかよく分からないが、適当に挨拶を交わす。この家の中にも、耳が痛くなるような音が流れ、ミラーボールのような光の演出がされ、なんでも好きなものを飲んでと勧められるが、体の状態を考慮して遠慮することに。

プライベート空間なので、何でもありの無法地帯。見たこともない、グミみたいな食べ物があり、それを食べるとかなりハイになるらしい…。でも1個丸々食べると効果がきついので半分だけ食べるとか…もうなんの話やねんと思いながら聞き流す。

試してみる?と誘われたが、そういうものには興味はないと一蹴。きっぱりと断っても、なんだノリの悪いヤツとのレッテルを貼られることはなく、そのままスルー。そういうブツを試すのがいいか悪いかは別として、自分の意志を貫きやすい雰囲気は歓迎すべき。

謎のグミを食べた連れは、思ったよりハイにならなかったけど、酔っぱらっていた状態が少し醒めた気がすると言っていた。どうでもいいけど。なぜか、その場にいたコロンビア人の1人がラーメン通らしく、いろいろ質問攻めにあったが、睡眠もとってない朝5時、疲れで頭が働いていないが、ラーメンのスープのだしの取り方やちぢれ麺などの麺の種類、世界のラーメンブームについて等々、バックグランド音楽に邪魔されながらも話し込む。

疲れていたのは自分1人だけではなかったようで、そろそろお開き。さすがにもう朝5時30分。帰り道では音楽が漏れ聞こえているような場所もなく、静けさが町に戻っていた。曖昧な予定だったが、コロンビア人家庭での年越し夕食、バンドのライブショーのパーティー、個人宅でのちょっとクレイジーなパーティーとコロンビアらしい新年を体験することができた。

2022年もコロンビアにうまく染まれるような1年になることを願おう。

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