ウィンブルドン2023観戦

イギリス

休暇で渡英した理由の1つは、何といってもテニスのウィンブルドン選手権観戦。2016年以来の現地での観戦ということで、久しぶりに臨場感を味わいながら芝のコートで繰り広げられた選手たちの熱戦を楽しんだ話。

街中がテニス一色に

鉄道のウィンブルドン駅に降り立つと、もう街中がテニス一色。2週間の大会期間中は世界各地から観戦客がロンドン郊外のウィンブルドンを訪れる。

薬局もウィンブルドン選手権でデコレーション
ロンドンのラルフローレンのショップもウィンブルドンで飾られる

7年ぶりの訪問ということで、前回の観戦から得たノウハウが忘却の彼方へ。行きは歩いて会場まで向かった記憶が蘇り、今回も徒歩にて会場まで。初観戦となった2016年は、高まる興奮の中歩いたせいなのか、それほど遠く感じなかったけれど、今回はなぜか上り坂が堪え、駅からバスを利用するべきだったと後悔。それでも何とか会場に到着。

ウィンブルドン名物の行列

当日券を求める行列

会場の一画にたどり着いた後、当日券の列まで進む。この日は大会9日目ということでシングルスの試合は、男女の準々決勝が各2試合組まれているのみで、試合が開始されるのは午後1時。10時前に到着したので、試合開始時間まではまだ余裕があると高をくくるが、目の前のウィンブルドン名物の行列を見て、テンションが一気に下がる。おまけに、広がる青空からの照りつける日差しが入場まで待つ身にはきつい。

”Q”が行列の最後尾のサイン

試合が始まるまでに会場に入れるのか不安がよぎるが、ボランティアの方が色々と観戦を楽しむコツに加え、行列は長いが10時から会場となるので、列も徐々に進んでいき1時間ほどで入場できるだろうと教えてくれた。

手渡された整理券 3436人目

オンライン全盛の時代でも並んでチケットを求めるのは合理的ではないかもしれないが、これも含めてウィンブルドンの伝統なのだろう。しかも、並んでいるのは会場に入るためだけのチケットであり、センターコートやNo.1コートの座席のチケットではないのだ。

センターコートなどのチケットを求める徹夜組のテント

ボランティアの方によれば、毎日500枚ほどセンターコートなどの当日券が販売されるようだが、それを入手するには、まさに徹夜覚悟。実際に、明日のチケットを求める徹夜組のテントがすでに列を成していた。

当日券 Grands Passを購入

前回もこれほど待っただろうかと思い出そうとしたが、もはや記憶に残っていなかった。行列の長さから2,3時間待つことも覚悟したが、11時20分ごろにはチケット売り場まで辿り着くことができた。ボランティアの方の言葉通り、1時間少しの待ち時間で済んだ。

大会2週目は試合数もわずか

試合のドロー表

大会2週目に入るとシングルスはベスト8が揃い、4強をかけた戦いとなり、この日に組まれていた試合は、女子はSwiatek vs Svitolina, Pegula vs Vondrousova, 男子はDjokovic vs Rublev, Sinner vs Safiullinの4試合。

センターコート、No.1コート以外では、ダブルスやジュニア部門の試合も行われていた。会場に入れた興奮そのままにギフトショップに向かう。お目当てはもちろんバスタオル。選手も試合で使用するあのタオルだ。前回ウィンブルドンを訪れた時に購入したタオルも、くたびれてきたのでそろそろ新調するタイミグだろう。

前回はビニールのバッグに入って販売されていたが、環境に対する配慮なのかそのバッグはなくなり、お値段は何と39ポンド(約7,000円)!! 前回は25ポンドくらいで円高というのもあって5,000円以下くらいで買えたように記憶しているが、値上がり&円安のダブルパンチ。自宅用とお土産用を購入してショッピング終了。

シングルスの試合が始まるまで時間があったのでジュニア女子の試合を11番コートで観戦。ジュニアと言えども、ウィンブルドンでプレーするくらいのレベルなので、その球速は素人の域をはるかに超えている。

男子ダブルスの試合

試合の展開が読めたので、隣の17番コートで男子のダブルス観戦に移る。男子になるとジュニアでも球速が一機に上がり、同じ人間がテニスをしているとは思えない。これからどんどん成長して、どんなトッププレイヤーになるのかと想像していたら、ジュニアではなく男子ダブルスで、1組は第12シードの世界のトッププレイヤーだった。失礼。

当日券でも、こうして世界にトッププレイヤーの試合を間近で観戦できるのは貴重な機会。上述の通り、第2週目なので、シングルの試合はセンターコートとNo.1コートのみなのが残念。

No.1コートで観戦なるか?

マレー・マウンドでの観戦

ダブルスの試合の観戦を終えると、女子シングルの準々決勝が始まる時刻になったのでヒルこと通称マレー・マウンドへ移動。当然、センターコートやNo.1コートのチケットは持っていないので、その中で観戦することはできないが、ヒルに設置されたスクリーンと、コートから響く観客の拍手や掛け声で臨場感を味わえる。また、芝生の上でリラックスしながら、スナックやシャンパンを片手に観戦できるのもいいところ。スクリーンではセンターコートとNo.1コートの両方の試合を写してくれていたので、2倍楽しめた。両試合ともフルセットにもつれる大接戦。

ヒルでの観戦も楽しめたが、ここでウィンブルドン観戦を終えるわけにはいかない。この2つのコートでは、第1試合終了後、第2試合目を観戦せずに帰宅する観客のチケットが再販されるのだ。なんとしてもこの再販チケットを入手して、センターコートかNo.1コートのどちらかで観戦したい。

リセールチケット売り場

女子の準々決勝の試合中、リセールチケット売り場に偵察に向かうも15時までは、再販がスタートすることはないので、列を作って待つことはできないと係員に告げられる。女子の試合中、雨が降り始め、コートの屋根が締められる間、試合が一時中断したので、その間にリセールチケット売り場を再び訪れると、15時前にも関わらず既に行列。慌てて列に並ぶも、間もなくするとこれ以上の列は再販できる見通しがないということで列から離れるように指示され、17時以降に戻ってくるようにと。

仕方なく、ヒルに戻りセンターコートの女子の試合をモニター観戦。試合時間は3時間近くに及び、第1シードのSwiatekが敗れる波乱だった。試合も終わったので、17時前だったが再びリセール売り場に。すると係員の1人はセンターコート用の再販チケットの列は打ち切り、No.1コートのみと案内している。もう1人の係員にダブルチェックもかねて尋ねるとセンターコートの列に並んでもいいけど、多分チケットは手に入らないよとこっそり教えてくれた。それもそのはず、なにせDjokovicの試合だからみんな観たいのは山々。ここは狙いをNo.1コートに定めて、またもや行列に並ぶ。

1時間ほど待って順番が回ってきた!待ち時間とチケットが余っているかどうかの予測不能さに苛まれるが、リセールのチケットはわずか10ポンド!待っている間に男子の準々決勝はすでに始まっており、試合開始からは観戦できないが、1セットオールと拮抗していたので、第3セットから試合をNo.1コートの中で楽しむことができた。

No.1コートで男子準々決勝を観戦

青々とした芝生に、選手がボールを打つ音が響き、ポイントを取ると観客の拍手がこだまする会場の雰囲気はテレビで見る試合とは別物。試合は、次世代のトップ選手としても注目されているSinnerが勝利。オンコートの勝利インタビューも聞けて大満足。

エキシビションマッチのおまけも

No.1コートで試合を観戦できた興奮が冷めないままの状態でいると、なにやら男子の試合に続きダブルスのエキシビションマッチが行われるようだ。しかも、登場したのはHingisとClijstersの元世界No.1プレイヤー。全盛期のレベルのプレーとはいかないまでも、それでも美しいフォームから繰り出されるショットの数々は観客を魅了するには十分だ。

エキシビションマッチまで残る観客は少ないので、さらに席を移動して最前列に近い場所で観戦することができるおまけつき。

ウィンブルドン2023は、第2週目に訪れたのでシングルの試合数が少なく、大きなコートで観戦できるか未知数だったが、結果的にはダブルスやヒルでの観戦、リセールチケットの入手など、すべて上手くいった観戦となった。

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